PA0097 イギリス 1890年代 Highland Cattle / Oil Painting
サイズ |
幅 635mm 奥行 25mm 高さ 335mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
今から100年以上前、19世紀末から20世紀初期にかけて、イギリス北部スコットランドで描かれた古い風景画です。
・・まだ、朝靄の残る時分なのでしょう、
ひんやりとした空気感すら感じられるスコットランドのハイランドシーン。
川辺に群れを成しているのはスコットランドを象徴する高山牛、”スコティッシュ・ハイランド・キャトル”です。
モサモサしたロングヘアの前髪と、とてもおとなしい性格が大人気の”ゆるキャラ”ですね。
スケッチした場所は、ハイランド地方の中でもかなり高地の渓谷エリアではないかと思います。
スコットランドのハイランドは作画の題材になることが多く、
こちらの作品と良く似たロケーションもしばしば見かけます。
有名な観光スポットなのでは、と想像いたします。
ちなみに、スコットランドはハイランド地方とローランド地方に分かれていますが、
ハイランドは渓谷と清流の地として有名です。
またウイスキーづくりに欠かせない良い水が湧き出ていることで、シングルモルトのウイスキーの産地としても知られています。
高い山のほとんどないイングランド地方と違って、ハイランドには荒々しい山岳地の至る所に大小の渓谷が点在。
ここに描かれている上流の川も、当地らしい景色のひとつということでしょう。
こちらはイングランド南西部、サイレンセスターCirencesterのアンティーク絵画ディーラーより、
デニムが直接入手いたしました。
出所情報は不明ですが、直近では一般的なファインアートオークションなどで流通していた作品のようです。
いかにも邸宅のリビングや書斎などに鎮座していたような雰囲気のある絵画ですので、
イギリス人コレクターのプライベートコレクションの放出品、といった状況だったことがうかがえます。
それなりにサイズ感もありますので、もともとは学校や商業施設などに飾られていたものだったのかもしれません。
作品につきましては、左下にサインがあり、'J. Keith'とあります。
絵画ディーラーによれば19世紀末から20世紀初頭のスコットランド人画家によるもの、ということです。
確かに19世紀からのスコットランド絵画の描写スタイルが引き継がれているようにみえますし、
キャンバスの時代的な風合いから見ても100年以上は経過しているように思われますので、
ディーラー情報は理にかなった鑑定でしょう。
ただ、作者'J. Keith'については詳細不明。
有名なスコットランド系アメリカ人ぺインター、
ウィリアム・キースWilliam Keith (1838 ? 1911) に関係する人物ではないか、という
イギリス現地のディーラー情報ですが、デニムで調べたところでは、
ウィリアム・キースと関係するような情報は見つけられませんでした。
ただ、そういう作者に関する情報は別にして、純粋に作品のクオリティから見て、
明らかに一定の技量を持って描かれた秀作であることは、デニムが自信をもって進言させていただきます。
美しい景色を作者の視点でより美しく伝達する絶妙な構図、
神聖な母国の遺産に敬意を払うかのように厳かにたたずませる描写、
動物の体毛一本まで、さらには芝の1本1本まで緻密に描きこまれた、写実的でも印象的な表現力・・。
誰がどう見ても、美術を志す人が、自身の持つ技術のすべてを注ぎ込んだ「血作」です。
アーティスト情報など、この作品に限ってはほとんど意味をなしません。
なぜなら、プライドを持つアーティストが熱き血をたぎらせて描いたであろうことは、
容易に想像できる作品ですから・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
イギリスより、素敵なオイルペイントが入荷して参りました。
130年ほど経過したジェニンアンティーク(真の骨董)、イギリスの風景画になります。
時間がゆっくりと流れているかのような、19世紀ヴィクトリアンのハイランド風景が描かれています。
こうして何点か、絵画作品のメンテナンスを担当させていただいておりますと、
最近では、本物のすばらしい作品には、実際にメンタル面に良い効果があるのだな、と感じてまいりました。
たとえばこちらの作品のようなカントリーサイドの風景には癒しやくつろぎを感じ、
逆に都市部の光景を描いた作品は古き時代の臨場感に図らずもわくわくとしてまいります。
さて、こちらの作品につきまして、作者に関しましては右下にJ. Keithとサインが有ります。
地元スコットランドの風景画家、J・キースJ. Keith (19th C.)の作品だろうとのことです。
アンティークマーケットなど、商業的な分野で名を見かけるイギリス人アーティストです。
正確な出生年などは未確認ですが、19世紀のヴィクトリアンぺインターとされています。
残念ながら背面にもギャラリーラベルなどの情報は残ってはおりません。
ただ、ハイランドの風景画にこだわっていたようで、彼の作品はおおむね、
スコットランドのハイランドシーンを描いたもの、ということです。
スコットランド系アメリカ人で、同じキースKeithのファミリーネームを持つランドスケープぺインターの巨匠、
ウィリアム・キースWilliam Keithと血縁があるのでは、というディーラー情報もありましたが、
今のところそれを裏付けるような事実はありません。
’Mountain Landscape with cattle’ William Keith
上記の写真はウィリアム・キースの作品の一つですが、確かに視点や構図など、共通点はあるように思います。
W・キースの作品にはこちらの作品以外にも、高山風景を題材にした作品が多く存在します。
また、ハイランドシーンには動物がつきもの。
上記のW・キースの作品にも牛が登場していますが、こちらのJ・キースの作品にもスコットランド・ハイランドの象徴、
ハイランド・キャトルが主役を務めています。
雄々しい角に、茶髪ロングヘアの愛嬌あるアイドルフェイスが特徴の、スコットランド当地独特の希少種。
でも、ハイランド・キャトルの原種の毛色は、実は黒。
他の色の牛を掛け合わせて、茶色をはじめ、いろいろな色の経路が生まれるようになった、ということです。
’Highland cattle’
さて、それでは入荷時のコンディションにつきまして。
作品は、支持体がキャンバスに描かれています。
ただ現状、キャンバスの木製フレームは外されていて、板紙に張り直されています。
おそらく、良くあることですが、木製フレームに張られたキャンバスの長年の張力により、
木枠の角にあたっている部分のキャンバス地が切れ、現地でフルレストアされたものと思われます。
で、その際、フレームも現状の細身のウッドフレームに交換されたのでしょう。
フレームは天然木の無垢フレームに、ゴールドギルトの内枠が収められた20世紀もののフレームと思われます。
比較的シンプルな作りですが、きちんとした美術品用のしっかりとした高級フレームと思います。
すっきりとしたデザインががかえって絵画を引き立てているようです。
作品はかなりぴったりとフレームに装填されていて、
入荷時よりがたつきやぐらつきはありませんでした。
おそらく専用にあつらえられたオリジナルフレームではないかと思われます。
フレームの汚れについてはしっかりとクリーニングしておきました。
多少小さな欠けや、スレ、日焼けなどがありましたが、
目立たないようにタッチアップ処理を施しました。
尚、フレームに対する作業中は絵画面は優しく養生しておりますので、
絵画への影響は有りません。
さて、絵画自体のコンディションにつきましては良い状態をキープしておりました。
今から120年以上前の作品になりますが、古いオイルペイントによく見られるクラクリュール(微細なひび割れ)も
レストア方法が良かったせいか、ほぼ気になりません。
作品表面には、多少経年による黄ばみもありますが、パテナ(古艶)の一部と肯定的にとらえることができる程度のもので、
デニムの主観によるものですが、一般的に見てエクセレントコンディションと評価できるレベルかと思います。
尚、レストア歴につきましては、プロの技と思われますので、 商品価値にはほぼ影響のないものと思います。
基本的には作画自体はオリジナルコンディションといえる状態です。
また入荷時より背面には保護用のクラフト紙などは張られていない状態でした。
比較的きれいなチップボードが裏板に使用され、特に背面周りの状態も悪くはないので、
デニムでもクラフトなどは張らずにご案内させていただくことといたしました。
尚、チップボードが使用されているところを見ると、以前のレストアは20世紀半ばころであろうと想像できます。
裏側には吊下げ用にフックとコードお取りつけ致しました。
そのまま 安心して飾っていただけるかと思います。
以上、大切な価値ある芸術作品ですので、しっかりメンテナンス致しました。
クラシックなお部屋のアクセントにいかがでしょうか。
担当職人より自信を持ってお勧めいたします。
(Restorer/MJ)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
製作年代は19世紀のものと思って間違いはなさそうです。
もちろん信頼できるディーラー情報ですので疑う余地はありませんが、
レストアされた作品の状態や絵の具の経年の風合いを見れば納得できるものです。
100年もののアンティーク絵画としてのピュアな質感をお感じいただければと思います。
作品について、こちらの作者はヴィクトリアンぺインター、J・キースJ. Keith。
スコットランドの観光地、19世紀のハイランド地方を描いたものになります。
場所については、現地ではある程度知られたロケーションなのでしょう、
同じ場所と思われる作品もしばしば目にします。
しかしながら引き継がれてきた情報が途切れてしまったようで、場所の特定はできません。
とはいえ、ハイランド・キャトルの水飲み場、と探していけば、
おおよそ見当がつくのでは、と思います。
後々のお楽しみとしていただければ幸いです。
作品につきましては、作家のサインがあるから、というわけではありませんが、印象としては、
職業画家として自立した、中堅クラスのアーティストによって描かれたもののように思われます。
ご覧になっていただければお分かりのように、
スコットランド画家のリアリストとして、しっかりと時代の流れを受け継いでいながらも、
それでいて、確かに自分のスタイルに取り入れています。
派手さはないものの、フランス的な心和むスコットランドの絵画シーン。
アレキサンダー・ネイスミスAlexander Nasmyth、ホレイショー・マックロックといった高名な画家を生み出した
スコットランド画壇のつくった流れの中に、このJ.キースも確かにいたことと思われます。
またその状況をとらえる洞察力、そしてそれを表現する丁寧な仕事ぶりは
駆け出しの学生レベルなどではないと思います。
間違いなくプロフェッショナルなレベルです。
・・でも、それはあくまで筆者の私感です。
イチアンティークアートファンの感想程度にお読みくださいね。
気持ちの良い季節、抜けの良い場所で、背後にはさらなる高山も鎮座し、景観の良い場所です。
古くからの有名な観光地的な場所柄なのでしょう、
きっと21世紀の現代でも変わらぬ景色が観えることと思います。
この場所は、自身の持つ「古き良きスコットランドのハイランドシーン」という、
イメージにぴったり重なっていたことと思います。
季節は緑が茂る季節、初夏のころでしょうか。
その当時、その場所の光景は、この絵の穏やかな色遣いによって伺い知ることができます。
淡くても奥深さの感じる彩りは、そこに生きる動物たちが平穏無事に生活していたことを今に伝えています。
地球には生命が満ちていることを改めて感じさせられる作品です。
情景を極めて的確にとらえている正確な洞察力と表現力、
スコットランド絵画らしい写実的な木々の描写、そしてJ・キースの特徴ともいえる、動きを感じる光と影の世界観。
人間は時代とともに変わっていくが、自然はいつまでたっても変わらない。
「国破れて山河あり」の世界を描き出しています。
そしてこれほどの力作、薄っぺらなエセ芸術家の作品でないことは明らかです。
かなりの制作期間、そして労力をかけた作品だったことでしょう。
・・美しいインテリアとして、心が洗われる人がいるかもしれません。
あるいは、不変な自然の風景に希望を持つ人もいれば、人の儚さに今を生きる活力を感じる人もいることでしょう。
それこそがきっと、アーティストとしてJ・キースの才能を測る尺度。
時代を超えた多くの人に感銘を与えてきた、紛れもなく稀代のぺインターとご案内いたします。
ぜひ本物の価値を知るアンティークファンの方に、後世へ引き継いでいっていただきたい秀作です。
ぜひ。
(Sales/YM)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | Highland Cattle / Oil Painting | |||
品番 |
PA0097
|
管理番号 | Lot15-21_0620 | |
販売価格(税込) | 51,840 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 635mm 奥行 25mm 高さ 335mm ※絵のサイズは幅595mm×高さ295mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
ゆうパック160 送料目安:2,010円~2,490円
(沖縄 2,660円)
ゆうパックによる配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1890年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1890年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | 化粧材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | 一部メンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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