ベントウッドロッキングチェア


大変珍しいアンティーク・ベントウッドチェア(曲げ木椅子)が入荷いたしました。今から100年前、19世紀末から20世紀はじめにかけて、オーストリアからポーランドあたりで製作された、
スーパーレアなコレクタブルズ・アンティークのロッキングチェアです。
う〜ん、椅子マニアの筆者ですら見たこともない、
めずらしいロッキングチェアです。

どこが・・ですって?

確かに一見何の変哲もない、現代風のロッキングチェアのカタチです。

でもこの当時、ベントウッドのロッキングチェアといえばかなり大柄で、
このようなアメリカのシェーカー家具とか、コロニアル様式のような小振りなロッキングチェアは
文献などを参照しても掲載されていないのです。

メーカーは不詳ですが、このような独自形状のベントウッドチェアが当時、生産できたのは、元祖“トーネットThonet”か、曲げ木家具の強力なライバル(後の親会社)“JJコーンJJ
Kohn”、“ムンドスMundus”、
あるいは“フィスケルFischel”くらいしか考えられない、と思います。

1860年、初めてトーネットがロッキングチェアを製作いたしますが、
マニアの方ならご存知の通り、それは前述しました大柄な♯7000と呼ばれるモデルで、
以降、トーネットのロッキングチェアには4桁のアタマに「7」番が付けられることになります。

しかし、こちらのロッキングチェアは・・その♯7000番台シリーズとは全く形状を異にしております。

♯7000番台シリーズの特徴は、脚元の「そり」が大きくて、
およそ8m程度の長さの、1本のブナ材によって構成されていたこと。

その「そり」によって成立した風格あふれる♯7000のスタイリングは、
かのトルストイなど、著名な文豪にも支持されるなど、かなり人気の高かった商品でもありました。

でも・・19世紀後半、ベントウッドチェアの空前のヒットで、ベントウッドメーカー各社は
良質なブナの確保に腐心していたといわれています。

No.14が使う2m程度のブナ材でも不足し、No.56と呼ばれる短いブナ材の構成モデルが登場したくらいでしたから、
おそらく当時でも8mもの長寸のブナ材は入手が困難になりつつあったことは容易に想像されます。

そこでこのロッキングチェアのような「省資源」モデルが開発されたのでしょう。

当時のデザイントレンドではなかったのかもしれませんが、
小振りで庶民の住環境には合っていますね。

環境にやさしい「今風な」ロッキングチェアといえそうです。

ちょっと“ロハス”な・・。




(Buyer/YM)

価格(税込): 49,000 円
参考市場価格: 49,000 円
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