スーパークオリティ ウィリアム4世WilliamWマーケットリーローズウッドブラックレザーカウチ

今から何と! 約200年前、19世紀前半、ウィリアム4世William W時代のイギリスで製作された
マーケットリーローズウッドフレーム&フルブラックレザーの最高級ソファです。
当時の貴族家具、スーパーアンティークの”ダブルエンド・シェーズロング”になります。
・・ソファ、カウチ、デイベッド、シェーズロング、セティ、セットルetc、
皆様、これらの椅子の違いがお分かりになりますか?
正確に言える方は、まずいらっしゃらないでしょうね。
筆者にもちょっと難しいです。
というよりも、「厳密な定義などは存在していない」のが、正解でしょう。
ただ、それなりに専門家たちの間では、既定の認識があるようで・・。
いろいろと、関連の文献などを筆者なりに整理した結果では、
最初に”ソファ”という呼び名を使いはじめたのは、18世紀初めのイギリス。
このことは何種かの書籍で、全て意見は一致していましたので、
おそらく現代人がイメージする、ふかふかしたくつろげる椅子=”ソファ”とは、
300年前のイギリスから始まった、と考えて間違いないのではないかと思います。
もちろん、1700年代に突然ソファがデビューした、というわけではなくて、
似たようなタイプの椅子が収れんされていって、ある種のスタンダードなカタチを
ソファとして認知され始めたのが18世紀初めごろ、と考えるのが適当かと思います。
その「似たような椅子」の歴史をさかのぼっていくと、
古くは古代エジプトの「寝台」、すなわち ”デイベッド”にまで行き着きます。
エジプトの「寝台」は、文字通りベッドに近いもの。
支配階級の休息用に作られた小さなベッドのようなものでした。
エジプトの寝台は、古代ギリシアではさらに、もう少し広い範囲に普及していたようで、
食事と休息を兼ねた一般市民のための「細長いベンチ」のように進化していきました。
そしてその後、古代ローマでも「寝台」は受け継がれていって、
ローマの寝台は”レクタス”と呼ばれ、家具の一つとしてしっかりと認知されるようになりました。
レクタスは家庭の中の最高の家具で、横になって会食をするために使われていたようです。
それがどんな構図だったのか、使用シーンはちょっとイメージできませんが、現代の生活の中でも
お客様をもてなすために、くつろげるお部屋に高級ソファが設置されるというのは、
すでにこのころから形成されていた価値観だったのかもしれません。
そして時代は進み、ローマは東西に分裂。
それでも家具類はローマ時代のものが受け継がれ、特に東ローマ(ビザンチン)では
横臥して食事をとる生活習慣も継承、レクタスも形を変えながら使われていったそうです。
その後、イスラム勢力により、10世紀東西ローマは滅亡しますが、
この長きにわたったローマの時代に、「座る道具」としての「椅子」(チェア)はほぼその原型を確立、
背のない腰掛け(スツール)、そして背のない横長椅子(ベンチ)、などと用途に合わせたデザインとなり、
そしてローマ時代からの「寝台」は背もたれを備え、縦に長い椅子(デイベッド)に変化していきました。
ローマ以降、ヨーロッパはロマネスク、ゴシックと教会中心のデザイン様式が進みます。
生活に根付いた家具の機能性は影を潜め、もっぱら家具は王侯貴族の好みにあわされていったように思います。
転機があったのは15世紀のイタリア。
ルネッサンスにより、古代ローマが再び注目されるようになると、家具などにも自由な風が流れ込んできます。
イタリア・ルネッサンスは、ヨーロッパ各地に伝播、フランス、ドイツ、スペイン、オランダ(フランドル)、
そして、16世紀はイギリスにまで及びました。
そしてちょうどこのころ、デイベッドはフランスで”シェーズロング”、「寝椅子」として定着。
16世紀の半ばにはイギリスに紹介され、17世紀初期ごろまで、かなりイギリス国内で流行したとされています。
ちょうどこのイギリス版シェーズロングを椅子職人たちが盛んに製作していたころ、
背の高い背付き横長腰掛(ベンチ)も、イギリスでとても人気を集めていました。
そのベンチは”セットルSettle”と呼ばれ、教会のベンチに似た背もたれの高いデザインで、
ボックス(収納の付いた)横長の座が特徴でした。
このセットルが、のちにアンティーク家具で有名な”モンクスベンチ”(収納付きテーブルベンチ)に発展するのですが、
その一方、”セティ”と呼ばれる背の低い横長椅子も生まれています。
セティは1人以上が座る、横長のベンチ(腰掛)型であることだけはセットルと共通ですが、
重々しい壁のように背の高いベンチのセットルと、
背が低くて軽い、椅子をただ横に伸ばしただけに見えるセティとは、外観が全く違っていました。
このセットル、シェーズロング(デイベッド)、セティは、ほぼ、この16世紀ごろに原型が作られたことになりますが、
参考資料でイラストを見る限り、いや、説明文でもお分かりのように、当時それぞれ全く違う用途、デザインで誕生しています。
これは筆者の推測ですが、誕生当時はこれだけ特徴に差があったわけですから、はっきりとそれぞれ定義があったように思います。
それがなぜ現代では、どれがシェーズロングでセティ?と、境界があいまいになってしまったのか?
そのきっかけは、15〜16世紀の大航海時代にありました。
東インド会社を代表とするヨーロッパの東西貿易は、「産業革命」をも誘発することになった重大な出来事でしたが、
イギリスの家具業界にも大きな影響を与えたのです。
それは家具職人たちに、「籐」や上質な「布地(素材)」、「革」などの物資を供給したことです。
このことで、椅子の機能性には現代にまで続く「革命」をもたらしました。
いうまでもなく、それは「座り心地の良さ」。
17世紀以降、高価な椅子にはもれなく、籐張り、生地張りなどがされるようになり、
特にシェーズロング(デイベッド)、セティには最適な仕様だったのです。
これでお分かりいただけましたよね。
そうです、横長の背付き腰掛だったセティと、縦長の寝椅子だったシェーズロングが
「座り心地の良さ」を目指した中で結びついたのです。
このことで、セティのように背付きの横長の腰掛としても利用できながら、
横長を縦使いすればデイベッドとしても使える。
バージョンアップしたシェーズロングが生まれました。
これが現代の”シェーズロング”のルーツです。
しかし、このシェーズロングは、もともと一人掛けの寝椅子。
一人で寝そべるには都合の良い椅子なのですが、セティのように2人が並んで座るには、
アームレストのない(足をのばす)側はどうも居心地が悪い。
そもそもセティは2人以上が掛けられるように横長になっていたわけですから、
そこで今度は、セティにも使えるシェーズロングから、シェーズロングにも使えるセティが必然的に生まれました。
・・それが、それこそがこちらのソファ、”ダブルエンド・シェーズロング”なのです。
↓以下、お客様担当のコメント欄に続きます。
(Buyer/YM)
価格(税込):
777,600
円
参考市場価格:
756,000
円
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