スーパークオリティ フレンチブールFrench Boulle ヴィクトリアンワークテーブル


19世紀半ばのイギリスで製作された“フレンチブールFrench Boulle”スタイルのワークテーブルです。

“フレンチブールFrench Boulle”とは、19世紀の上流階級で流行した、
フランス独特のマーケットリーインレイ(絵画調象嵌細工)のこと。
きらびやかなブラス(真鍮)インレイを、エボナイズ(黒檀色)した躯体にふんだんに使ったとても豪華な装飾技法で、
19世紀のフランスでは宮廷家具の象徴的なインテリアスタイルでした。

正確には、”アンドレ・チャールズ・ブールAndr Charles Boulle”という、
宮廷家具専門のキャビネットメーカーが独自に作り上げた装飾技法だったようですが、
こうしたエボナイズ塗装とブラスインレイの組み合わせは、イギリスなど、
ヨーロッパ各国の多くの家具メーカーに取り入れられることになり、
汎用化した結果、このような装飾は一般的に”フレンチ・ブール”と総称されるようになったようです。

と、ここでアンティーク上級者の方ならきっと、お気づきでしょう。
そう、パピエマーシェによく似ているな、と。

パピエマーシェPAPIER-MCH(パピエマシェ/マーシュ)もフランス生まれの装飾技法。

紙を粘土状に溶かして圧縮成形した素材に、漆塗りのような「黒檀」塗装を施し、
表面には金彩でハンドペイントやプリントを入れたのが、パピエマーシェでした。

このパピエマーシェはもともと、19世紀の日本の「漆器」などの高い人気から、
いわゆる”ジャポニスム”の影響で、生まれたものといわれています。
そしておそらくこのパピエマーシェに影響を受けて編み出された様々な装飾技法の一つが、
こちらのワークテーブルにも用いられている”フレンチ・ブール”なのではないかと思います。

それは、このエボナイズ塗装が、何か白い下地で表面処理されている点を見れば想像できます。
このワークテーブルの漆黒のボディは、単なる黒塗装ではないのですよ。

圧縮素材を張り付けるパピエマーシェと同じ技法で製作されているのではないかと思います。

そして、真鍮の薄板をパーケットリーであるかのように、幾何学文様にインレイワークし、
きらびやかな螺鈿(らでん)細工をパネル面に施しています。

その装飾の細やかさ、丁寧な仕上げぶりは・・、まさに日本発の「漆工芸」のよう。
実際、日本的なジャポニズムから生まれた技法ということであれば、何だかちょっと誇らしい気分ですね。

・・うんちくが長くなってすみません。
19世紀のイギリスを振り返ってみれば、ヴィクトリア女王治世下の“ヴィクトリア”期には、
豪華絢爛、華やかなスタイルの家具、調度品が数多く製作されています。

すなわち、こちらのワークテーブルも、そんな当時のリアルタイムな芸術的プレミアムアイテムのひとつ。

真珠貝/マザーオブパールの薄片を張り付けた象嵌装飾は、100年以上経過しているのが嘘のように若々しく
つややかなソリッドブラックの躯体がより一層装飾を引き立て、21世紀の私たちに「永遠の美」を誇示しているようです。

そして目にあでやかなブラスインレイ&ブラスエッジングのデコレーションワーク・・。
まさに正真正銘、ヴィクトリアン当時ものの宮廷家具!

ご婦人の「宝飾品収納庫」として使われていたことは今さら申し上げる必要すらないように明らかですが、
150年を経た現代にあっては、このワークテーブルの方こそが、「宝飾品」といっても良いような気がします。

本当に素晴らしい稀代の文化遺産。
全く、デニムがお勧めできない理由はどこにもありませんね・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 267,840 円
参考市場価格: 260,400 円
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