イングランドオーク シガレットボックス


20世紀初め、第一次大戦後のイギリスで製作されたシガレットボックス(煙草入れ)です。

突然ですが、”シガレット”と”タバコ”の違い、ご存知ですか?

一般的に英語圏で”タバコtobacco”と言うと、
刻まれた葉っぱの状態で販売されているパイプ煙草などの「刻みタバコ」を指す場合が多く、
シガレット”cigarette”が一般的な「紙巻きタバコ」、「葉巻」は”シガーcigar”などと言ったりします。

さて、こちらの100年近く前のものとは思えないほどきれいなオークボックス。
”シガレット”とありますので、「紙巻きたばこ」を入れていた木箱だったのでしょう。

ちなみに紙巻きたばこがヨーロッパで普及したのは、第一次大戦後(1914年〜)といわれています。

紙巻きたばこが世間に出回り始めたころは、それはそれはなかなか入手できない貴重品だったことでしょうね。
きっと、煙草入れには他の人に盗られたりしないよう、保管にはしっかりと鍵などを掛けて・・。

ということで、このような上質なオーク無垢の躯体にしっかりとした鍵付きの高級ボックス、
明らかに紙巻きたばこが普及しつつあったころ、つまりまだ貴重品だったころのものでしょう。
ちょうど100年くらい前のものであることがわかります。

また、いかに当時、紙巻きたばこが貴重だったか、というのは、この箱の飾りを見れば一目瞭然。
残念ながら、経年で取れてきてしまっておりますが、おそらく天蓋の四隅の飾り、
および、”Cigarettes”のマークは、銀メッキのシルバープレートと思われます。

要するに、この箱は富裕層向けの高級調度品として作られている、ってことです。

・・日本でも20世紀後半、紙巻きたばこは広く普及します。
その結果、20世紀末には安価な庶民の嗜好品にまで、成り下がってしまったように思います。

しかし、昨今のたばこ税の増税によって、再びタバコが貴重品となる時代がやってきつつあります。

とすれば、ファッションの世界でも「流行はめぐる」と言いますし、
もしかすると、紙巻きタバコを保管しておく「たばこ入れ」が、
このような「貴重品箱」になる時代がまたやってくるかもしれません。

アンティークファンの方へ、その時の「歴史の一里塚」として・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 28,600 円
参考市場価格: 27,300 円
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