エドワーディアン スーパートール 5スタッキングブックケース


19世紀末から20世紀初頭にかけて、1900年前後に製作された、
セクショナル・キャビネットタイプのブックケースです。
人気のスーパートール、5スタッキングタイプの最高級コレクティングファニチャーになります。

こちらはイギリスアンティークでは “グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”と並び立つ、
当時の高級オフィス家具メーカー、”ガンGUNN”ブランドのアンティーク家具と思われます。

全長170cm近い、5段分割式のトールタイプのブックケース。

天板前面がゆるやかなカーブを描いている他は、実にシンプルで堅実なデザインです。
いわゆる古典家具とは異なるアーツ&クラフツ(19世紀末の美術工芸運動)の潮流を感じさせます。

当時としては極めて前衛的な家具だったものと思いますが、サイズ的なバランス感がよく、
背が高くても圧迫感の少ない印象をもたらしているのは、意匠として非常に優れたところです。

側面を見ると、5分割されていても上から下まで、虎斑杢(とらふもく。トラ柄の杢目)のきれいな
オーク無垢の杢がキチンと全段入り、それがまた美しさのアクセントにもなっています。

本当にとても美しいルックスです・・。

このタイプのブックケースは“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”という当時のマニュファクチャーが
その構造にパテント(特許)を申請し製作していましたが、
後年にはさまざまなマニュファクチャーにより製作されています。

前面のガラス戸を引っ張り上げて奥へとスライドさせ戸を収納する、という
つまみのついた独特のリフトアップドアを持つグラスキャビネットスタイルは、
普通に作ると、ガラス戸の滑りをスムースに行なうことが難しく、開閉には両手で行う必要がありますが、
グローブヴェルニッケの考案した特殊な金具は、この滑りの悪さを解消。

片手で開閉できる画期的なリフトアップの仕組みがグローブ社の特許となったわけです。

その使い勝手の良さとデザイン性により、グローブヴェルニッケのブックケースは
当時からかなり人気は高かったようです。
法律事務所の書庫として使われていたことは広く知られていますね。

という経緯で、セクショナルタイプのブックケースを独占していたグローブ社。
しかし、こちらのGUNNブランドやニューキャッスルのウィルトンWilton社、有名なケンリック・エファーソン社など、
一部の優良メーカーだけは独自のローラー式で、扉の片手開閉を可能にしたのです。

で、こちらがそのGUNNのアイアンレール式リフトアップのブックケース。
しかも、数少ないオーク総無垢製 というお品ですから、
アンティークファンの方にはその貴重性がお分かりいただけることと思います。

背板まで無垢材が使用されていながらも、各棚の分割、接合は今でもスムーズにでき収まりも良いことから、
GUNNの加工精度の高さは容易に推しはかることができます。

ちなみにスタッキングブックケースには、1段ごとにスタックできるように見えるデザインで、
実際には全段固定式のケンリック・エファーソン社のような、「スタッキングに見えるブックケース」もありますが、
こちらのお品は“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”の量販モデルをさらに超えた、
全パーツが完全分解可能な、5セクショナル型になっております。

まあ、普通は棚を増やしたり減らしたり、付けはずしてご利用になることはほとんどないと思われますので、
実用面から申しますと、分解型でも一体型でも変わりはなさそう。
でも、引っ越しなどの移動時を考えれば、分解できることは一つのメリットと言えそうです。

“レトロ”という表現がぴったりのスタイルに、長年大切に扱われてきた希少なソリッドオークの木肌の風合いが、
筆者の「物欲」を刺激してやみません。(苦笑)

ぜひ身近においておきたい、素敵な最高級アンティーク家具です。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 264,000 円
参考市場価格: 252,000 円
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。


[9]かごを見る
[0]TOPページへ

LOCKON CO.,LTD.