ジョージアンGeorge III スパニッシュマホガニー ライティングスロープ


大変貴重なアンティークが入荷いたしました!
イギリス18世紀末から19世紀初期に製作された、“ジョージスリー”のライティングスロープです。

アンティークに詳しい方ならご存知の高級骨董、ライティングスロープ。
アンティークコレクションとしてはあまりにも有名です。

ノートやペン、インクつぼなどの筆記用具がきちんと整理され、無駄なく収納、
蓋を開けば、傾斜のついたレザートップのデスクトップが広がる。
場合によっては、シークレットボックスなどの隠し収納機能などもついている。

そんな英国貴族のためのインテリジェンスな「道具箱」、
それがライティングスロープと呼ばれる英国独特のステーショナリーケースです。

そもそもライティングスロープは、当時の庶民には縁遠い、高級なアイテムではありましたが、
21世紀の現代では、当時とは違った意味で大変価値のある高級骨董となっています。

どこが? といえば、言わずもがな、の素材品質。
アンティークの時代にしか見ることのできない、無垢のマホガニーとイングランドオークを使用した、
スーパー・ハイブリッドの高級スロープ、というのが、価値ある理由です。

アンティーク上級者の方ならご存知かと思いますが、
イギリスの家具史においては、その時代のトレンドとして用いられた素材によって、
家具の時代が括られることがあります。

古くはオーク家具が中心だった「オークの時代」、
寄せ木細工(インレイ)で装飾する家具の流行した「ウォルナットの時代」、
そして、帝国主義の時代に入り、アメリカ大陸(中米)から多くのマホガニーが輸入され、
家具に取り入れられるようになった「マホガニーの時代」。

アンティーク家具専門家たちは、イギリスのアンティーク家具をそのように、
素材で時代性を区分しています。

こちらのライティングスロープの作られた時代はジョージ3世の治世下、ジョージアン期になりますが、
ジョージアンには中米の植民地より、大量のマホガニー材が輸入されたことで、
多くのマホガニー家具が作られ、「マホガニーの時代」といわれています。

現代では「家具材の宝石」とまで称される、高価な”ホンジュラス産マホガニー”が
大量に流入してきたのがこの時代です。
現在の「宝石」とまで称賛されるホンジュラスマホガニーも、このころは一般材だった、というわけです。

しかし、そもそもなぜホンジュラスマホガニーが大量に輸入されるようになったのか?

それは、当たり前ですが、マホガニー家具のニーズが高かったから。
つまり、ホンジュラス以前にも、別の植民地からマホガニー材は輸入されていて、
マホガニー家具は広く知られ人気があった、そこで、ホンジュラスのマホガニーに注目が集まったのです。

ホンジュラス以前のマホガニーは、現在のジャマイカ、キューバ、プエルトリコから輸入されていました。
ただ、輸入量はそれほど多くはなかったんですね。
すぐに家具材としては枯渇してしまったようです。

しかし、多くの貴族たちはそのマホガニーの杢や色つやの美しさに魅了されました。
そこで、ジャマイカ産やキューバ産に比べれば、質は少々劣るものの、
大量に入手ができるホンジュラス産が盛んに輸入されるようになったのです。

まあ、今ではそのホンジュラス産でさえも枯渇してしまい、ワシントン条約のレッドリスト入りしたことで、
「家具材の宝石」とまで称される、希少材になってしまいましたが、
実は、本当に「家具材の宝石」だったのは、ジャマイカ産やキューバ産のマホガニー、
いわゆる”ジャマイカン・ウッド”や”キューバン・マホガニー”のことを指しているのです。

こうした、ジャマイカ産やキューバ産のマホガニーは、スペインの植民地から輸入されてきたことで、
”スパニッシュ・マホガニー”と総称されています。

もちろん、ホンジュラスエリアもスペインの植民地でしたので、アンティークマホガニーとして、
ホンジュラス・マホガニーもスパニッシュマホガニーの1つには含まれます。
優良な銘木に違いはありません。

ただ、アンティーク上級者の方なら、求めるものは、やはり、
”ジャマイカン・ウッド”や”キューバン・マホガニー”ですよね。

そして、こちらのライティングスロープこそ、その”キューバン・マホガニー”になります。

少し黒みを帯び、独特の縞杢を持つ杢理が特徴なキューバ産マホガニー。
やや荒々しい杢は華やかなホンジュラス産マホガニーよりも男性的な印象です。

さて、マホガニーの説明が長くなってしまいましたが、こちらのライティングスロープ、
長方形のオーソドックスなフォルムですが、天面には、幾何学的な紋章を彷彿とさせるブラスインレイ(真鍮象嵌)、
周囲にも効果的にブラスパーツが配され、ダークレッドマホガニーの躯体に、見事な彩りが与えられています。

パーソナルボックスであることを示すロックを開錠すると、新しくお張替えをした、
ダークグリーンレザーのライティングボードが広がり、通常はこの状態で執務をいたします。

さらにそのボードは上下(手前側と奥側)に開くようになっていて、革製のプルをつまんで開ければ、
イングランドオークの虎斑杢(とらふもく。トラ柄の杢目)が確認できる底板のスペースが現れ、
反対側の留め具を外してボードを引き上げれば、華やかな赤みを持つスパニッシュマホガニーの素地が現れます。

こうした2大銘木の対比が確認できる収納スペースというのも面白いですね。

また、向かって左側には隠し引き出しが設けられていて、
蓋を閉じた状態ではロック機能が働き引き出すことはできません。
蓋を開ければ自動的に(ばねの力で)ロックが解除され、引き出しを出すことができるようになります。

その他、インクボトルやペントレー等は、実際に使われていた当時のもの。
キーは後年のスペアキーのように見えますが、ロック本体は当時のオリジナルです。

年代を感じさせる小物や演出が随所に見受けられるのが魅力的です。

インテリアとして十分な美しさと存在感を持つアンティークでありながら、
実用にも耐えられるだけのコンディションも今なお維持しています。

以上、世界に二つとない、現代ではまず復刻不可能な、「奇跡」のようなスロープ。

まさにコレクタブルズ(収集目的のアンティーク)の逸品です。
ぜひアンティーク上級者の方へ・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 115,500 円
参考市場価格: 110,250 円
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。


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