スーパークオリティ ローズウッド ヴィクトリアン ローズタペストリーピクチャー ファイヤースクリーン

今から170年ほど前、19世紀中盤!
ミッド・ヴィクトリアンに製作された、「家具の宝石」ソリッド・ローズウッドのファイヤースクリーンです。
英国アンティークのコレクティング・ファニチャーを代表する逸品になります。
イギリスの老舗アンティークディーラーより、”トップクオリティ”の名のもと、
デニムに入荷してまいりました。
アンティークで取引される“スクリーン”について少し解説させていただきますが、
スクリーンには、ファイヤースクリーン、フォールディングスクリーン、ポールスクリーン、トライポッドスクリーン、
など、使用される用途や場所に応じて、いくつかのタイプが作られています。
こちらは後者、トライポッド(三つまた1本支柱)ベースのポールスクリーンになります。
いずれのタイプも暖炉の火の粉やすきま風をさえぎったりするために生まれた機能家具ですが、
時代が進むにつれてその機能ニーズは徐々に低下し、お部屋の空間を魅力的に飾るためのインテリアとして、
そのデザイン性だけがどんどん特化して行くようになりました。
そしてヴィクトリアンの末期には、そのお宅のメインスペース、ファイヤースペース(居間)において、
その中でもメインの装飾アイテムとして、その流行はピークに。
第一次大戦まではそんな貴族趣味の傾向は続いていたようでした。
そんなわけで、コレクションしていた当時の富裕層の人たちの関心は、もっぱらそのパネルデザインの豪華さ。
特に、フォールディングスクリーンなど、もともと日本や東洋の「屏風」などの影響もあったのでしょう、
いわゆる「金屏風」のようなシノワズリー風の絵画や刺繍のシルクパネル、
漆の絵画や“パピエ・マーシェ”と呼ばれる塗装工芸など、様々な技法や素材を駆使して、
スクリーンはあたかも美術品であるかのごとく、変貌を遂げていったそうです。
見るもあでやかな、そのような当時の高級スクリーンですが、こちらのスクリーンについては、
まさに、そんな流行がピークの時代の、リアルタイムなアンティークアイテム。
こちらは英国伝統のアートタペストリー(綴織)を、ブラジリアンローズウッド製の
美術品のような額装でフレーミングした、当時の超・高級調度品。
そのアートフレーム収められているのは、タペストリーというよりも、プチポワンとか、
ニードルポイントといったほうが現代的でしょうか、
こちらもまた、ヴィクトリアンの貴族たちがこぞってお抱えのアーティストに製作させた人気のウォールアートです。
ローズウッドフレームに、タペストリーがローズ柄なのは、ちょっとしたウィット?
いや、イギリスのシンボル、”チューダーローズTudor Rose”でしょうかね。
タペストリーについていえば、17〜18世紀ごろ、イギリスで大きく発展した刺繍のテクニックの一つ。
当時の王侯貴族や富裕階級の人々が、専門の下絵作家や刺しゅう職人を雇い入れ、
女主人が侍女、召使いなどとともに室内装飾品を競って制作させていたそうです。
タペストリーはスペインを始め、フランスやイタリア、ドイツでも栄光や権威を示すものとして盛んに作られ、
中でも特に、古くから教会刺しゅうに伝統のあったイギリスで大きく発展。
貴族階級には必携のインテリアアイテムとなりました。
そんなタペストリーの中でも、こちらは全て刺繍でこれだけの細かい描写を構成させるなど、
素人目に見てもとても手間のかかった民芸品。
しかもベース生地はシルクと思われ、何色もの刺繍糸を使うなどの大変な豪華仕様です。
前オーナーはきっとお金と時間を持つ貴族階級だったことは明らかでしょう。
そして大切にガラスケースでパッキングされたこちらのタペストリーは、
アカンサスC型スクロールで飾られた、明らかにブラジリアンローズ無垢製とわかるフレームに収められ、
またそのベースフレームは、見事なプロポーションにシェイプアップされた、
ヴィクトリアンスタイルのトライポッドで支えられています。
それらは全て「家具の宝石」、ブラジリアンローズ無垢材製で構成。
1世紀を経た今でも、見事な色つやと端正なフォルムを保持し続けています。
まさに「豪華絢爛」が主流だった、当時の典型的なコレクションスクリーン。
このような誰にでもわかる豪華さが、きっとオーナーにとっては何よりも代えがたい「芸術」だったのでしょう。
英国の歴史的な世相、そして、そこに生きた人々のプライドや価値観さえも身にまとった、
素晴らしきコレクタブルズ(収集目的の骨董品)と思います。
デニムがお勧めできない理由など、どこにもありません・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
140,800
円
参考市場価格:
134,400
円
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LOCKON CO.,LTD.