クイーンアン ヘリンボーンインレイ バールウォルナット スモールコンソールテーブル


アーリー・ヴィクトリアン(19世紀初期)に製作されたと思われる、
クイーンアンスタイルのスモールコンソールテーブルです。

実はこのテーブル、入荷時は年代が不詳で、すっきりとした直線的なデザインからすると、
1900年ごろのエドワーディアン様式の時代に作られたのものではないかと思われていたのですが、
比較的生産年代が特定できる工法や金具類をチェックしてみると、およそ1760〜1840年ごろの、
200年は経過しているスーパーアンティークであることがわかりました。

いえ、可能性としてはもっと古いものかも・・。

そもそもこのような小引き出しのついたテーブルは、16世紀から17世紀初めごろ、
紅茶の普及とともにティーテーブル(茶卓子)として普及したデザインです。

その後、17世紀末から18世紀初めごろになると、こうした引き出し付きのティーテーブルは、
当時の家具産業の中で盛んにつくられるようになり、サイドテーブル(脇置卓子)として定着しました。

いわゆるウィリアム&メアリー様式の時代(1689〜1702)のことです。

この時代のコンソール(引き出し収納付き)テーブルは、ウォルナットの寄せ木張りがもてはやされ、
なかでもバール杢の化粧張りや、ヘリンボーンインレイ(杉綾象嵌)の装飾がとても人気だったそうです。

あれ?
まさにこのテーブル、そのものですね。

そして入荷時、とても古びた感じだったループハンドル(取っ手)は、18世紀初期、
クイーンアンの時代(1702〜1714)に流行した、「彫刻のある通し座金」付きの真鍮引き手。

引き出しのロックは現状壊れていますが、ジョージアンの時代(18世紀初〜19世紀初)より以前に良くみられる、
真鍮製ではないスチール製のハードロック。
※ロックに関しましては後ほど修理、または交換にて再生いたします。

また、製作工法の特徴としては、引き出しの仕口(接合部)をチェックすると大まかな年代が推測できますが、
こちらの仕口は、ハンドメイドのアンティーク家具で良くみられる、
いわゆるダブテイリング(蟻組み)。

ただしとても古い「蟻継ぎ」デザインで、初期の頃の「包蟻(つつみあり)」の接合方法。
「包蟻」は、ちょうど18世紀初期の頃に多くの「指物師」が採用した技術だったそうです。

・・と、ここまでの情報で時代考証をしてみると、これって本物のクイーンアン様式の時代の家具?
って結論に達してしまいますね。

まさか18世紀初期のアンティーク、すなわち、300年以上前の家具ってこと?

この検証が正しければ、博物館クラスの家具、ってことですよね。
まず一般のアンティークマーケットには出てくることのない、とんでもない掘り出し物です。

はっきりとそうであることを断言はできませんが、でも一方では、
いかなる専門家に見ていただいても、言下にそうではないと断言することもできないと思います。

まあ、金具類だけは後年アンティーク品に交換することも可能ですので、
ここでは控えめに、古い家具が復刻されていた19世紀前半の頃の200年もの、というくらいの評価にさせていただきます。

でも、でも・・そのデザインは18世紀初期のイギリス伝統様式、
“クイーン・アン”スタイルを確かに継承しているもの。

スクエアな天板に、引き出し下の“ニーホール”に設けられたクイーンアン独特のサーペンタイン(波型)アーチ、
「猫脚」とも呼ばれる、動物の脚を模した“カブリオールレッグ” 、
そしてその猫脚を飾る「帆立貝」のデコレーション等々、
まさにクイーンアンの英国伝統家具そのもの、といえます。

細部にまで見どころが満載で、骨董家具としてのレベルの高さもうかがい知れます。

それにしても、この、限界まで細く削り込まれた ”スキニーレッグ”。
アンティークの時代ならではの「美脚」ですね。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 88,000 円
参考市場価格: 84,000 円
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