ヴィクトリアンスタイル タペストリートップ サーカシアウォルナットレボルビングスツール


今から150年以上前、ヴィクトリアン後半に製作された、珍しい四本脚一軸回転式のピアノスツールです。

※こちらは2脚ペアで入荷いたしました。(販売は1脚単位です。)

何という美しい椅子なのでしょうか・・。

「息を呑む」、「言葉を失う」という形容詞以外、
この椅子の「美」を表現する日本語はこの世に存在しないと思います。

興奮を沈めつつ、この椅子を客観的に眺めてみると、
まず感銘を受けるのが、その造形のバランスの良さ・・。

こんなに端正な椅子がフリーハンドで図面を書き起こさなければならなかった時代に製作可能だったなんて・・。

大量生産技術では現代家具の脚元にも及ばなかった古い時代の椅子ですが、
手作業の「試作」レベルの技量の高さは、もしかすると歴史上ピークを迎えていた時代だったのかもしれません。

ジェニン・アンティーク(100年を経た真のアンティーク)、
それも最高級アンティークならではの美しいシルエット、といえるのではないでしょうか。

デザイン的には、優雅な家具を生んだヴィクトリア後期のオールドフレンチ、ルイ16世様式がベース。

センターピラーを持つ4本脚形状は、ヴィクトリアンのラウンドスツールには珍しい構成です。
一般的には三つまた1本脚の回転軸を持つピアノスツールが一般的でしたから、
こちらの4本脚スツールは貴重ともいえるウィンザースツール系のシルエット。
三つまた1本脚仕様のスツールよりもはるかに強度の高い1柱4本脚仕様です。

何か強度が必要な、特別な使用用途があったのかもしれませんね。
元オーナーの体格が良かったとか・・。

脚先が先細りにシェイプされた、ヴィクトリアン独特のテーパードレッグも、
先端を外側にカーブさせるとても珍しいフォルム。

脚のデコレーションはローマ神殿のようなフルーティング(縦溝)彫刻の入るヴィクトリアンスツールらしいものですが、
アクセントにシンボリックな植物文様の彫刻を配し、一般的なヴィクトリアンスツールとは一線を画すような、
製作者独自のセンスの高さが感じられます。

一方、厚手のタペストリーで張られたクッションシートも、木部フレーム同様に華やかなもの。

側面のアンティークピンクのベルベット地がとても華やかですし、双獣文のライオン像と、
深紅のシールド(盾)を刺繍した座面の柄は、あたかも英国王家の紋章のよう。
格調すら感じられます。

とても美観を追求したルックスではありますが、決して飾り椅子というわけではなく、
厚みのあるクッションは座り心地もよく、構造的には、前述の通り、
頑強な5本柱のクロスストレッチャー構造ですから、かなり剛性感は高く、
長年のレボルビング(回転軸)使用にも、一切の構造劣化を起こすことはなかったようです。
したがって、このような端正なフォルムを1世紀以上もの間、維持し続けてきました。

美観とともに、実用目的もしっかり果たせるよう製作されたスツールといえます。

1世紀半を経過した年代物だけに、それなりのレストアは何度も受けてきたと思いますし、
この座面生地も、数十年前には交換されたものと思いますが、19世紀の製作当時のコンディションが、
変わることなくそのままの実用性機能性で受け継がれていることにはとても感心させられます。

どの点から見ても優秀な高級骨董椅子です。

当時の幅広スカートを着用された貴婦人方が、
ピアノの演奏に、優雅にご愛用されていた姿が目に浮かぶよう・・。

紛れもなく一級の英国伝統家具とご案内させていただきます。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 52,800 円
参考市場価格: 66,000 円


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