ロイドルームLLOYD LOOM バビントンソファBabbington Sofa


イギリスの家具ブランドといえば “ロイドルームLloyd Loom”、
・・かつてはそんな時代もありましたね。

2000年代初頭の日本。
当時、イギリスのアンティーク家具・インテリアが大流行。

英国インテリアとともに、雑誌などでは”アフタヌーンティ”などの英国文化も盛んに紹介され、
その当時は英国式のお菓子、お茶、食器、作法が日本にも広く浸透して行った時代でした。

そんな当時の”アフタヌーンティ”の「場」を演出したのが “ロイドルームLloyd Loom”スタイルのインテリア。

イギリス伝統の”クイーンアン”様式や”チッペンデール”様式といった、
クラシカルな宮廷風インテリアもまた、カフェでは人気はあったのですが、
それよりも堅苦しくなくて、ゆったりとくつろげる、そんな “ロイドルームLloyd Loom”ファニチャーは、
当時の若い女性層にとても人気のあるインテリアでした。

もともと日本では「籐編み家具」が親しまれていた土壌もありましたから、
その「籐家具」を、より西欧風におしゃれに高級感を持たせた
“ロイドルームLloyd Loom”が流行したのは、ある意味で時代の流れとして自然といえるものでした。

そんな、日本でも一部の巷を風靡した “ロイドルームLloyd Loom”でしたが、
2010年代も後半になると、日本では徐々に見かけることも少なくなってきました。

もともと “ロイドルームLloyd Loom”は”アフタヌーンティ”の代表的なインテリアとして
もてはやされていた家具でしたので、”アフタヌーンティ”の文化自体が日本文化として根付き、
イギリス文化であることを忘れ去られてしまったような昨今では、その家具や室内装飾、
調度品やもちろん作法などは、特に英国式である必要もなくなってしまったわけです。

そんな時代の流れが、日本では “ロイドルームLloyd Loom”があまり見かけられなくなってしまった
要因の一つでは、と筆者は考えています。

でも・・別に “ロイドルームLloyd Loom”は、本来
”アフタヌーンティ”のためだけのインテリアではありませんよね。
”ロイドルーム”家具、という1つのジャンルです。

そういう筆者も、このところ、
“ロイドルームLloyd Loom”を忘れてしまっているようなところがありましたが、
改めて最新の “ロイドルームLloyd Loom”家具を見てみると、その「熟成深化」には
唸らせられるものがありました。

そもそも “ロイドルームLloyd Loom”は、1917年にアメリカ人の”マーシャル・B・ロイド”が発明した、
”ペーパーワイヤー”という、特殊な籐編み家具の「素材」から始まりました。

“ロイドルームLloyd Loom”といえば家具のブランドのように認知されていますが、
実は新素材”ペーパーワイヤー”の名称こそが、“ロイドルームLloyd Loom”、ということだったわけです。

その”ペーパーワイヤー”は固く寄り合わせ防水処理したクラフトペーパーで、
スチールワイヤーの芯を巻き上げたもので、皮籐(籐の糸)よりもはるかに強靭で、
経年でささくれて洋服が引っかかったり、ほどなく切れたりするような
「安かろう悪かろう」的な籐家具の欠点も解消。

その強い”ペーパーワイヤー”は、構造のフレーム部に柔らかい「竹」素材だけではなく、
硬い「天然木無垢材」もフレームとして使えるようになるなど、
籐家具のデザイン面にも画期的な拡張性をもたらしました。

そのアメリカ発の“ロイドルームLloyd Loom”=”ペーパーワイヤー”に目を付けたのが、
イギリス人”ウィリアム・ラスティ”。
そう、1921年に“ロイドルームLloyd Loom”の製造特許を取得した英国 W・Lusty&Sons社のオーナーです。

もともとイギリスでも、”ウィッカー(籐)”や、”バンブー(竹)”の編み家具は、
ガーデンファニチャーとして親しまれていましたから、”ペーパーワイヤー”を採用したことで、
より一層、編み家具にイギリスらしいハイセンスな家具デザインを取り入れることが可能になりました。

そうして“ロイドルームLloyd Loom”はアウトドアだけでなく、
インドアでも広く取り入れられるようになりました。

その後、イギリス人の憧れる空間にまで、続々と
“ロイドルームLloyd Loom”の家具が採用されていくようになります。
名実ともにロイドルーム家具は、「古き良き」時代のステイタスシンボルの一つにまで上り詰めました。

例えば、ウィンブルドンのロイヤルシー ト、豪華客船、飛行船、
最高級ホテルのラウンジ、大人気の老舗ティールームなどなど・・。

もちろん今でも、“ロイドルームLloyd Loom”家具は、英国を代表する家具ブランドの1つ。
多くの伝統的な一流施設の優先サプライヤーであり続けています。

ただ・・そんな栄光のブランド、“ロイドルームLloyd Loom”も、
1985年にはW・Lusty&Sons社が製造&販売権を他社に譲渡せざるを得なくなる事態に陥ってしまうんですね。

現在のロイドルーム公式サイトには会社の沿革が掲載されていないので、
今の「本家」ブランドを所持している会社がどこで、どのような変遷を経て現在に至っているのか、
まだ調べ切れてはおりません。

ただわかっている範囲では、1985年に一旦、”Lloyd Loom of Spalding Ltd”社 が、
“ロイドルームLloyd Loom”の製造&販売権を正規に受け継いでいます。

しかしそれも2016年には廃業。
その後、現在に至るまで、正規の「のれん」はどの会社が受け継いでいるのか、
一般的には知られていない状況です。

製造については、イギリス、アメリカをはじめ、インドネシア、中国、ベトナム等、
現在でも世界各地で行われていて、中でもインドネシアの生産量が一番多いといわれています。

ということで、ずいぶん前置きが長くなってしまいましたが、
こちらの商品は「最後」のイギリス製正規モデル、というコレクションアイテムの“ロイドルームチェア”。
”Lloyd Loom of Spalding Ltd”社製になります。

”Lloyd Loom of Spalding Ltd”社では、大きく分けて2つのロイドルーム商品群がありました。
オリジナルデザインのクラシックモデル、そして新デザインのコンテンポラリーモデルです。

そしてそれぞれに、ちょっと高級感を増した屋内用と、スタンダードな屋内屋外兼用があり、
こちらの個体については、オリジナル・クラシックデザインの屋内用モデルになります。

このカタチ・・、最も人気のある定番モデルといって良いでしょう。
最上級グレードの”バビントンBabbington”というシリーズでした。

貴重な”Lloyd Loom of Spalding Ltd”の紙ラベルが現存していて、
正規品の証、ブラス(真鍮)タグもついています。
使用感極小のスーパーエクセレントなコンディションで、間違いなくコレクションピースといえます。

今やオリジナルを受け継いだ正規品がどのメーカーのロイドルームなのか、
わからなくなってしまった現在では、はっきりと素性がわかる、
最後のオリジナル・ロイドルームチェアになります。

先に申し上げました通り、そのオリジナルデザインの熟成度は、
最後の”Lloyd Loom of Spalding Ltd”社製に至って、ピークに達したといって良いでしょう。

エルゴノミクスと融合したかのようなサイズバランス、正確無比な設計と製作精度、徹底した品質管理・・。

例えば、使用されている「ねじ」ひとつとってみても、そう。
背面に固定されている「ねじあたま」を見てください。
全ての「+」ねじの頭が同じ方向を向いているのに気が付きませんか・・。

次の入荷は全く見込めない状況です。
本当に貴重品。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 143,000 円
参考市場価格: 136,500 円


[9]かごを見る
[0]TOPページへ

LOCKON CO.,LTD.