Simpoles グローブ ヴェルニッケスタイル ステンドグラスドア 3スタッキングブックケース


19世紀末から20世紀はじめごろに製作された、
“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”スタイルのセクショナルブックケースです。

とても珍しい観音開きタイプのステンドグラスドアを持つモデル。
ガラス戸2棚+板戸1棚/3セクション/4段構成という、構造的にも結構レアなローキャビネットになります。

素材は、虎斑杢(とらふもく。トラ柄の杢目です)を鮮やかに彩るソリッドオーク製。
アンティーク・スタッキングブックケースとしてはかなり人気の高い仕様といえますね。

“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”のブックケースといえば、
元祖はグローブヴェルニッケ社が特許を取得したオリジナルのシステム家具。

このように棚がそれぞれ独立していて、スタックして組み立てられる独特の機能型キャビネットは
グローブヴェルニッケ以来、一つの家具スタイルとして確立。
後に様々な家具メーカーがリプロダクトし、世界的に普及が進みました。

結果、アンティークの時代の家具でも、現代に作られた家具でも、
多種多様なスタッキングブックケースのバリエーションが存在しています。

とはいえ、あまたあるスタッキングキャビネットのベースデザインは、いずれも
“アーツアンドクラフツ”(19世紀末の美術工芸運動)の流れを汲む、スタイリッシュなレトロモダンスタイル。

ガラス戸を上部に収納する、つまみのついた独特の開き戸が特徴。
そのリフトアップ式ドアの使い勝手の良さとデザイン性の高さにより、当時からかなり人気は高かったようです。

こちらのブックケースはまさにそんなデザイントレンドのど真ん中の時代に作られた王道デザイン。
年代的に英国の伝統古典様式、エドワーディアンスタイルの影響が感じられますね。

ただ、こちらはステンドグラスドアがリフトアップ式ではなく、観音扉式だったり、
下部にドロップドア式の板戸のセクションが組み合わされたり、と、
ちょっとメーカー独自のこだわりが盛り込まれているようです。

ちなみに“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”スタイルのブックケースは、
1段ごとに棚が独立している文字通りの“セクショナル・ブックケース”タイプと、
側板で全段が固定され、全段1体型になっているタイプの2通りありますが、
こちらは全段分解できるセクショナル型。

使用用途やデザインのお好みで、ケースの入れ替えをすることができます。

作りは1世紀を経て一体型と変わらないほどの剛性感、狂いの少なさ、
製作精度の高さはさすが生粋の英国家具と言えるものです。

こちらのキャビネットメーカーは、”SIMPOLES CHAPTER BOOKCASE” のタグがあり、
”Simpoles of Manchester” 社製であることがわかります。

マンチェスターにかつてあったSimpoles社は、19世紀後半に設立されたオフィス家具の専門メーカーで、
20世紀初期のアールデコの時代には英国の名門家具メーカーの一つに数えられるほどだったといわれています。

Simpoles グローブ ヴェルニッケスタイル ステンドグラスドア 3スタッキングブックケース
当時、スタッキングブックケースの製作で名をはせた、ケンリック・エファーソン社やガン社など、
老舗の名門企業と同等レベルの技術を持つ優良企業だったことは確かです。

現存している家具を見ても、いずれの商品もセンスの良いデザインワークが目を引きます。

こちらのキャビネットについても、時代の先端を行くストレートなテーパードレッグに、
デザイントレンドをしっかりとキャッチアップする老舗メーカーの魅力が感じられます。

率直にかっこいい家具と思います。

“レトロ”という表現がぴったりのアンティークなステンドグラス戸スタイル、
そして、長年大切に扱われてきた深みのある良質なオーク材の木肌の風合い・・。
筆者の「物欲」を刺激してやみません。(苦笑)

ぜひ身近においておきたい、素敵な家具です。

本当に大変貴重な逸品です・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 220,000 円
参考市場価格: 210,000 円


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LOCKON CO.,LTD.