ジープランG-PLAN フレスコFresco チーク トールオープンシェルフ/カップボード

今から半世紀ほど前、1960年代後半から70年代前半に製作された、
ヴィンテージクラスのトールブックシェルフ/カップボードです。
有名な家具ですので、ヴィンテージ家具ファンの方でしたらご存知ですね。
そう、”ジープランG-PLAN” フレスコFrescoレンジのウォールユニットです。
”G-PLAN”とは、1898年創業の英国老舗家具メーカー、
イー・ゴムE. Gomme社が1952年に立ち上げた家具ブランド。
E. Gomme社はアーコールERCOL社同様、1950年代当時、それまでの英国式の古典家具から
北欧式モダン家具の製造へ転身し、大きく成功を収めました。
ERCOL社が英国式家具をベースに、旧来家具の面影を残しながらモダナイズした一方、
E. Gomme社の”G-PLAN”ブランドは、モダン家具をベースに英国式家具と調和をさせました。
その点で、”G-PLAN”の方がアーコールよりも割り切ってモダン化したように思われます。
そもそも”G-PLAN”は、デンマークから大御所のデンマーク人家具デザイナー、
”イヴ・コフォード・ラーセンIb Kofod-Larsen”などを招いてブランドを立ち上げていますからね。
生粋のスカンジナビアンデザインの英国家具、といっても差し支えないでしょう。
G-PLANのデザインには同社のデザイナーあるいは考案者それぞれのコンセプトがあり、
そのコンセプトに沿っていくつかのデザイン・レンジ(シリーズ)が設定されました。
まず1950年代に、ブランドンBrandon、トーラ&ブラックTola&Black、
そして60年代にはいると、ダニッシュDanish、フレスコFresco、チークTeak、クワドリールQuadrille、と
立て続けに複数のデザイン・レンジが展開されています。
こちらのウォールユニットにつきましては、その中で ”フレスコFresco” と呼ばれるシリーズの商品。
2ドアのカップボードを下棚に据え、上棚には可動式の棚を備えたブックシェルフがアレンジされています。
当時、下棚や上棚にはいくつかの種類が設定されていて、
その組み合わせで、機能的な壁面家具が構成可能でした。
下棚には引き出し収納を備えているバリエーションがあったり、上棚にはガラス戸や、
ドロップデスクが設置されているキャビネットケースタイプ、ビューロータイプもありました。
こちらはオープンシェルフタイプのモデルで、中央の棚の裏側にはライティングユニットが装着され、
夜間に飾り棚をライトアップできるディスプレイシェルフとして設定されていたものと思われます。
デザイナーは ”ビクター・ブラムウェル・ウィルキンスVictor Bramwell Wilkins”、
E. Gomme社を代表するイギリス人のデザイナーです。
Frescoシリーズのリビングコレクションとして設計された、各種テーブルやチェア、ソファ、
それらの商品と共通性のあるディテールのウォールファニチャーとしてデザインされています。
同シリーズのアイテムとはもちろん、他のシリーズとも全般に相性は良く、
一方、単品でもミッドセンチュリーモダンの実用インテリアとして活用できる優良な家具です。
木部は、杢の印象的なチーク材。
ブラジリアンローズ、ホンジュラスマホガニーとともに世界三大銘木のひとつ、とされている家具の高級材です。
明るすぎず暗すぎず、絶妙な色合いのチーク材は、杢がとても美しく、また一方で、
変形の少ない質の高さは、ナチュラルな北欧系のモダン家具に重用されています。
尚、Frescoシリーズのコンセプトは、円、チーク、そして立体造形。
これは60年代のデザイン家具のトレンドでした。
こちらのチェストも、G-PLANらしいチークの杢、立体造形のハンドルを用いて、
デザインコンセプトの共通性を演出しています。
ハンドルの複雑な造型はさすがのブリティッシュメイドです。
また、英国家具らしいトール型のドレッサーデザインながら、
スタイリッシュなスマートフォルムは、いかにもスカンジナビア風。
新旧折衷のレトロモダンでいい感じです。
背の高さはそれなりにありますが、細身ですのでそれほど圧迫感は強くない家具。
ですが、ディスプレイのいかんによっては存在感のあるインテリアのアクセントにもなります。
現代家具ではなかなかこうはいかない、一級のデザインアイテムです。
デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。
(Buyer/AY)
価格(税込):
176,000
円
参考市場価格:
168,000
円
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