トンTON ベントウッドアームチェア ”ヴィエナVienna” No.30/ナチュラル・オーク

稀代の天才建築家、”ル・コルビュジェ” も絶賛した「世界の名作椅子」、
通称 “ウィーンの椅子(ヴィエナチェア)”です。
150年の歴史をもつトーネットファミリー企業のロングセラー商品、
ベントウッド(曲げ木)アームチェア、No.30 (旧トーネットTHONET社“ No.6009 ”) になります。
※こちらはチェコ・トンTON社製の新品ベントウッドチェアになります。
※こちらは「AC0404:未塗装/ピュア・マテリアル」モデルに、デニムでウレタン塗装したカスタマイズモデルになります。
・・大きく緩やかなカーブでつなげられたアームレストのウェーブライン。
あたかもエルゴノミクス (人間工学)のルーツがここにあるかのような「ウィーンの曲線」です。
旧トーネット社において、 ”No14” チェアと並び立つ代表作のひとつであり、
椅子の近代史を語る上で欠かせない、「名作椅子」中の「名作椅子」、
それがこちらの “ヴィエナViennaチェア” です。
デザイナーは、”アウグスト・トーネットAugust Thonet” 。
トーネット社の創業者ミヒャエル・トーネットの実子、5人兄弟のうちの三男にあたります。
ヴィエナチェア自体は1871年、「事務用肘掛け椅子」としてすでに製品化されていましたが、
1925年にパリで開かれたアールデコ展、“エスプリ・ヌーヴォー館”において、
巨匠 “ル・コルビュジェ” が採用したことから、一躍世間に脚光を浴びることになりました。
それ故、“ル・コルビュジェ チェア” とか、“エスプリ・ヌーヴォー チェア” とも呼ばれることもあります。
その名の通り、ル・コルビュジェはこちらのチェアをとても気に入っていました。
実際にプライベートでもヴィエナチェアを愛用し、彼の著書の中でも、
「壁は白。籐の椅子または、トーネットの曲木椅子・・。気の利いた部屋は、こんなにわずかなもので足りるのだ。」
と、旧トーネット社のヴィエナチェアを絶賛する名言を残しています。
ちなみに、ヴィエナチェアは1927年、デンマークの “ポール・ヘニングセン” がリ・デザインし、
ドイツの新トーネット社、”ゲブルダー・トーネットGEBRUDER THONET”によって
“アームチェアNo.209” としてリニューアルされています。
一方こちらのNo.30は、旧トーネット社の“ル・コルビュジェチェア”No.6009を
ほぼそのまま受け継いだ、言ってみれば「復刻モデル」。
いえ、正確に申し上げますと、旧トーネット社が第二次世界大戦後に解体されてしまった後、
チェコに残された旧トーネット・チェコ工場で生産された継続モデルにあたります。
「再生産モデル」と申しあげた方が良いかもしれません。
現在、旧トーネット社のチェコ工場は、1952年よりこちらのベントウッドメーカー、TON社が受け継いでいますが、
それ以前は、チェコスロヴァキア政府が運営する国営家具メーカーが所有していました。
政府系の家具メーカーは公営のため、デザインや技術の先取性に乏しく、
ドイツの旧トーネット社フランケンベルグ工場を受け継いだ民間企業、ゲブルダー・トーネット社のように、
旧トーネットモデルをデザインし直すこともなく、細々と旧来モデルを作り続けていたそうです。
その流れが現在のTON社にも影響しているのでしょう、
ゲブルダー・トーネット社は旧トーネットモデルをモダンデザインに方向転換する一方、
TON社はかつてのイメージをできるだけ変えないように正統進化させてきました。
つまり、こちらのチェコTON社製アームチェア No.30は、
ドイツ・ゲブルダー・トーネット社製アームチェアNo.209と比較して、
より ”クラシック・トーネット” オリジナルの ”ヴィエナチェア No.6009” に近い
「直系モデル」ということができそうですね。
ちなみに旧トーネット社のオリジナル・ヴィエナチェアNo.6009をリ・デザインした “ポール・ヘニングセン” が、
リニューアル版 “アームチェアNo.209” について、雑誌に記載した一文を、以下、ご紹介します。
「この椅子の重さは、生まれたての子供のように正確に3.5kg、
値段は籐で編んだ座部も含めて16.5クローネンである。
もしこの半分の座り心地で、3倍の重さ、しかも美しさは4分の1でしかない椅子を、
5倍以内の値段で作れるデザイナーがいたとしら、それだけでも彼は一流である。」
要するに、どんな優秀な家具デザイナーだって、これだけ軽く、丈夫で、価格も安く、
さらに座り心地まで優れた ”ヴィエナチェア” を、
超える椅子などつくれるはずもないでしょう、ということ。
歴史に名を遺した “ポール・ヘニングセン” でさえ、
”ヴィエナチェア” の基本デザインを変えることはできなかったわけですから。
・・近代の「椅子デザイン」を語る上で、決して欠かすことのできない「椅子史」上の金字塔、
それがこの ”ヴィエナチェア” です。
「椅子マニア」を標榜される方でしたら、ぜひ1脚はお手元に・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
51,700
円
参考市場価格:
49,350
円
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LOCKON CO.,LTD.