マホガニーデュエットスツール


今から100年ほど前、19世紀末、イギリスのレイト・ヴィクトリアン期に製作された、
ダブルサイズのピアノスツールです。

美し過ぎますね。

現代の私たちの感覚では、ここまで「椅子」が芸術的であるべきか、
疑問にすら感じるほどの美的レベルです。

いや、「椅子」ではなく、きちんと“スツール”と呼ぶべきですかね。

もともとスツールは中世ヨーロッパの貴族階級においては、
背もたれのある「椅子」とはやや見方が違っていましたから・・。

スツールはどちらかといえば実用性よりも装飾性が重視され、
ある意味ではステイタスのシンボルとして位置づけられていました。

そもそも太古の昔より、スツールは人類が初めて製作するようになった「椅子」ですので
“チェアChairs”が持っていた「権威性」がどんな椅子よりも強かったのかも知れませんね・・。

私感はさておき!

このスツールは、といえば、
当時主流だったチッペンデールのデザイン・フォルムを持つ、人気のタイプのピアノスツールです。

レイト・ヴィクトリアンに流行した、ヴィクトリアンスタイルの“カブリオールレッグ(獣脚=猫脚)”が特徴的ですね。

本来のS字カーブを描くロココの猫脚とはちょっと違ったストレート系のフォルムです。

こちらはおそらく上流階級のご家庭で、ピアノを弾かれる方の体型、姿勢、用途に合わせて作られた、
オーダーメイド品と思われますが、当時の最先端のデザインで製作されているところから、
比較的進んでいた、大陸に近い南部の都市で使われていたものではないでしょうか。

きっと都会育ちの、素敵な貴婦人がお使いになっていたんでしょうね。

そして、何よりも特筆はその素材品質の高さ。

明らかにどんなマホガニーよりも色に深みがあり、繊維の密度が高く表面がなめらかでつやがあり、
軽く硬く、1世紀もの時を経ていながらも変形が全く見られません。

いやはや、一般的なイメージのマホガニーとは、異質のクオリティです。

まさか、幻の“ジャマイカウッド”と呼ばれるマホガニー?
かどうかはわかりませんが、少なくとも、現代の最高級マホガニーといわれる“ホンジュラス”が中級だった当時に、
最高級と思われる素材が使われていることは間違いがありません。

何もかもが素晴らしすぎる、希代の名作です・・。


(Buyer/YM)

価格(税込): 128,100 円
参考市場価格: 128,100 円
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