マザーオブパール インレイドチェアC


すばらしい「無銘の名作椅子」が入荷いたしました!
19世紀末から20世紀はじめにかけて、
“レイト・ヴィクトリアン”と呼ばれる「大英帝国」最強の時代に製作された、大変美しいパーラーチェア(客間用の椅子)です。

※こちらの椅子はHC0169 マザーオブパールインレイドチェアA、HA0023 マザーオブパールインレイドチェアBと3種でサロンセットとして入荷してまいりました。
「ごくり。」息を呑む音が聞こえてきそうです・・。

文字通り、「息を呑む」ほどの美しさを持ったチェアです。

そもそもイギリスの椅子は、そのクオリティの高さ、バリエーションの広さにおいて
世界でもトップクラスに位置づけられることに間違いはありませんが、
それにしても、この椅子は・・。

その高いレベルの中にあっても、さらに「格」の違いを感じます。
明らかに2ランクは上のクラスのチェアです。

まず、そのデザイン性。

製作されたのが19世紀末ですので、ちょうど“アーツアンドクラフツ”と呼ばれる美術工芸運動から
1900年のパリ博でイギリスに大きな影響を与えた“アールヌーヴォー”が
当時のヨーロッパでのデザイントレンドだったものと思われます。

一方、イギリスではアールヌーヴォーのような、ツタが絡みついたようなロココ的曲線デザインはあまり受け入れられず、
“ヒルハウス”のハイバックチェアで有名な、“チャールズ・レニー・マッキントッシュ”に代表されるように、
直線基調のデザインがもてはやされ、イギリス独自のアールヌーヴォーが育っていました。

そんな時代背景の中でこのチェアを見てみると、あれ?っと思われると思います。

そう、このチェアがアールヌーヴォーの本場、フランス・パリ派の家具デザイナーの作品に
そのフォルムがとてもよく似ていることに気づかされるからです。

つまり、イギリス国内では受け入れられていない、外国のデザインに影響を受けているのです。

たとえばパリ派の代表格、“エクトール・ギマール”は昆虫など、自然のモチーフを様式家具に反映させた新鋭のデザイナーでしたが、
彼の作品と、このマザーオブパールインレイドチェアには、共通点があります。

あくまで私感ですが、細い曲線使いで、ロココ様式を印象的にアレンジしている点でしょうか。

いずれにしても、家具デザイナーとしては、自分の作品を賞賛されたかったはずなのに、
敢えて、受け入れられていないデザインを選んだという史実。

いったい誰が?なぜ?

りん、と、けなげにたたずんでいるやさしげなチェアですが、もしかすると、
激動の人間模様の中を渡ってきたチェアなのかもしれません・・。

どんな人間模様があったのか・・想像せざるにはいられませんね。(涙)

まあ、閑話休題。
そして、デザインを引き立たせる素材使い。

これだけ極限までシェイプされた、スレンダーなチェアですから、
実用面から考えるとマホガニー、それもゆがみやたわみの少なく、軽量でかつ剛性のある高級材を選ぶ必要があったはずです。

お写真3枚目の4面図をご覧ください。
これが100年以上経過したチェアなんて信じられますか?

1世紀以上もの歳月を、一切のゆがみ無く、均整の取れたプロポーションを維持しております。

そして、インレイ、それもマザーオブパール(真珠貝の内側のきらきらした部分)を使用した、
きわめて高い装飾テクノロジー。

ラウンジセットの全ての椅子の共通のモチーフとなっていますが、
つぼみの中から今にも生み出されそうな宝石が、アールヌーヴォーテイストで効果的に描かれています。
100年後の現在でさえ、みずみずしく思えるインレイの技術とそのデザインワークには感銘すら、覚えますね。
極めて一流、かつ独創的な匠の作品だと思います。
残念ながら、誰がデザインしどこで製作されたものかは情報がありません。
きっと高級階級の貴婦人のために、特注されたものだとは思います・・。

でも、これこそ正真正銘!“無銘の名作椅子”と胸を張ってお奨めさせていただきます!

はぁぁ・・。久しぶりに興奮してしまいました・・。(ちょっと一服)




(Buyer/YM)

価格(税込): 72,000 円
参考市場価格: 72,000 円
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。


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