18世紀 ティーボール&ソーサー

イギリス製の陶磁器としては初期のころのお品になります。
18世紀後半、1780年から90年頃に作られた2世紀以上前のアンティークです。
お写真ではサイズのイメージがつきにくいかもしれませんが、
ちょっと小振りなティーボウルです。
日本の一般的な湯呑茶碗よりも一回り、またフランスの”カフェオレボウル”などよりも二回りは小さいかもしれません。
(筆者の個人的なイメージです。)
イギリスにお茶が普及し始めた初期の17~18世紀頃、このハンドルのない小さなカップは、
王侯貴族の茶会ではごく一般的なものでした。
ティーボウルは当初、中国でつくられた小型の茶碗をまねたものでしたが、
紅茶の普及が進むにつれて、より貴族たちが優雅に楽しみたいというニーズのもと、
受け皿のソーサーがセットされ、また18世紀後半以降には、
現在と同じようなハンドルが付けられていった、といわれています。
つまり、このティーボウル&ソーサーは、そんなイギリスの「紅茶の歴史」という大きな時の流れで現実に生み出され、
その遠い過去の事実を今に伝えている「歴史の生き証人」なのです。
何だか、すごい・・。
窯元や組成などの情報は現地ディーラーより入手できませんでしたが、
“ボーンチャイナ”と呼ばれる標準的な乳白色よりも、やや温かみのあるオフホワイトで、
粘土質には不純物なのか、小さな黒点がぽつぽつ見えます。
また、厚みが薄く金属的な堅い質感で、これが本来の組成によるものか、
それとも2世紀の経年によるものかは判断はできませんが、安っぽさとは無縁の高級感があります。
あくまで筆者の印象ですが、すっきりとしたデザインに質の良さそうな素材の点から、
かなり身分の高い階級の方の「普段使い」の茶器だったように思われます。
・・英国の名門、”ウェッジウッド”が、かの“ジャスパー”を開発したのが1774年、
そして、英国最大級の陶磁器メーカー、”ロイヤルドルトン”が創業したのは1815年。
この茶器は、そんなイギリスの大きな歴史的出来事の合間につくられました。
まさに、英国紅茶の歴史、そのものです・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
9,555
円
参考市場価格:
9,555
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LOCKON CO.,LTD.