17世紀スウォードボックスSword box サイドキャビネット


お写真でこの重々しさ・・お伝えできるでしょうか?
デニム最古級のアンティーク家具になります。

英国アンティークディーラーの情報によれば、
17世紀末、およそ1690年頃、スウォードボックス(刀剣を収納する櫃)としてつくられたものということ。

後年、19世紀にスタンド(脚)部分が後付けされ、近年ではサイドキャビネットとして使用されていたものだそうです。

・・スウォードボックス。
何だか、ちょっと恐ろしい言葉の響きですね。

当時、戦争の武器を収納していた本物の木箱ですから、21世紀の一般人にはちょっと近付きがたいオーラがあるかも。

でも、前所有者のイギリス人、あっけらかんとサイドキャビネットに改造しておいて、
ブランケットボックスやリネンキャビネットにでも使っていたのでしょうか、
そんな心のおおらかさにはかなりリスペクト・・。

もしかして武器マニアの方だった?
でもまあ、何につけてもそのくらいの広い心は持っていたいものですね。

私感はさておき、一応、本当に17世紀のスウォードボックスかどうか、時代考証をしてみます。
ポイントは4点、デザイン、工法、素材の材質、そして経年の状態変化、です。

まずデザイン。
筆者もスウォードボックスはあまり見たことがなかったので、書籍やらネットやらで検索してみると、
・・ありました。
イギリスの骨董屋さんで数点発見。

いずれも古いもので13世紀から、17世紀のほぼ同時代のものまでありましたが、
確かにデザインとしてはほぼ共通、こちらのボックスとは同型であることがわかりました。

サイズはまちまちでしたが、「短剣」を調べてみると70cm前後の全長が中心。
その収納庫としてはこのボックス、ぴったりのサイズです。

またここで得られた情報としては、いずれもスコットランドのお城から出たものであること、
そして価格が平均2250ポンド!※現在1ポンド125円前後
もの値が付けられていたこと。(13世紀のものは「要問合せ」となっていました。)

もしかすると、このスウォードボックス、かなり掘り出し物?

次に工法。
後付けされたスタンド部分は別として、本体部分はオークの1枚無垢板6枚構成で、側面の接合はむき出しの「組み継ぎ」。
釘打ちはされていません。
天板は長手蝶番(ヒンジ)留め、底板は釘打ちで接合されています。

ここで側面に「釘打ちされていない」点が一つのポイントですが、17世紀には接合技術が急速に進歩した時代で、
継ぎ手に釘で補強することがなくなっていった時期でした。

つまり、17世紀末の家具としては、工法的には間違いではありません。

またオリジナルと思われるヒンジは、もちろんハンドメイド品ですが、形状から見ると、
バロック系のジャコビアンスタイル(17世紀前半主流)。
こちらも時代に合致しています。

素材と経年変化につきましては、あくまでデニムの経験に基づく感覚的なものになりますが、
日本の「ミズナラ」に近いヴィクトリアン(19世紀)のオーク材とは少し質感が違って見えます。

ジョージアンのオーク家具(200年前くらい)に近い雰囲気がありますが、
こちらのボックスは時代が正しければ3世紀は経っていることになりますので、
素材の風合いだけで17世紀ものかどうかの判断をすることはちょっと難しいです。

虫食いのあとや木肌の風合いからすると、少なくとも150年前よりも新しい、
ということだけはあり得ない、とは感覚的にわかります。

・・と、以上のことを考え合わせてみると、可能性としては本物である確率はかなり高いと思われます。

それにしても、日本で言うとまだ戦国時代にも近い時代のものですから、
普通に考えれば、歴史資料館に飾られていてもおかしくないシロモノ。

それが「実用アンティーク」として普通にマーケットで売られているわけですから、
イギリス人の懐って、よほど深い?

いや、というよりも、たまたま紛れ込んでしまっただけかもしれません。
つまり、相当な掘り出し物ってこと。

古ければ古いほど興味のわく方、または武器マニアの方、
これを見逃す手はありませんよ・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 168,000 円
参考市場価格: 168,000 円
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