ムンドスMundus ベントウッドチェア

イギリスビクトリア期後期1890〜1900頃のベントウッドチェアです。
「何だよ、トーネットと違うの?」・・・なんておっしゃらないで下さい。
ある意味ではトーネットよりもはるかに貴重な椅子なんですから・・・。(そう思うのは椅子マニアの私だけ?)
確かに曲げ木技術の元祖はトーネットですし
アンティークの「曲げ木椅子」といえば圧倒的にトーネットのNO.14が有名です。
でも実は、トーネット社以外にも当時、
本家に勝るとも劣らないテクノロジーを持ったマニュファクチャーも存在していたのです。
例えば、フィスケルfischel社やヤコブ・ヨゼフ・コーンJacob & Josef Kohn 社、
そして、このムンダスmundus社などはそんな曲げ木椅子の歴史に名を残したメーカーでした。
“椅子好き”の方ならその価値はお分かりいただけることと思います。
ところで、トーネット社の曲げ木加工技術の特許が切れた19世紀末以降、
待ってましたとばかりに無数の曲げ木メーカーが設立されますが、
それが原因でマーケットは過当競争時代を迎えることになりました。
一般的に市場の原理は技術の優劣とは無関係に、企業力の強い者が弱者を淘汰し、
あるいは吸収、合併していきます。
この業界も多分にもれず、
1914年にヤコブ・ヨゼフ・コーン社はこのムンダス社を吸収してコーン・ムンダスKohn & Mundus社となりますが、
さらに一歩上を行くトーネットtonet社はそのコーン・ムンダス社を1923年吸収合併し
その地位を揺るぎのないものとするのでした。
トーネットに匹敵する開発力を持ちながら、なぜライバル社の軍門に下ってしまったのか・・。
どんな理由があったにせよ、経営陣にとっては自社ブランドを捨てることは苦渋の選択だったに違いありません。
つまりこの椅子はガリバー「トーネット」に果敢に立ち向かい、
そして力及ばず敗れ去ったチャレンジャー「ムンダス」の遺品といえるのではないでしょうか!
ですから「トーネットに似た曲げ木椅子」などという安っぽいものではありません!
挑戦の軌跡なのです!!
・・・なんてつい興奮してしまいました。すみません。(汗)
最後は椅子オタクの私の独断と偏見です・・・ご参考まで。
価格(税込):
18,000
円
参考市場価格:
18,000
円
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LOCKON CO.,LTD.