ベントウッド レボルビングアームチェア


1900年前後のポーランド製と思われるベントウッドアームチェアです。

・・が、ただのベントウッドチェアではありません。
“ベントウッド”マニアを自称する、筆者ですらその存在を知らなかった大変珍しいレボルビング(回転)チェアになります。

曲げ木椅子のメーカーといえば、“ミヒャエル・トーネット”という偉大な人物が創立した、
元祖ベントウッドチェア、“トーネット”ブランドが有名です。
トーネットの歴史を調べることで、その競合他社や、創世記のトーネットの商品について、
また、さまざまなベントウッドチェア、ベントウッドファニチャーについて知ることができます。

しかし、そんな多くのトーネットの文献を読みあさった筆者でもまったくノーマークだった、
こちらは、知られざる「名作椅子」級のベントウッドチェアです。

外観はノーマルな“タブ”(おけ)型のアームチェアスタイル。
しかしよく見ると、座枠に厚みがあるのと、前脚と後ろ脚が同じラインをしていることに気が付きます。

といっても、普通にみればほぼ通常のベントウッドアームチェアと全く同じデザインといってもよいでしょう。
実際、サイズもほとんど変わりません。

ところが座ってみるとびっくり。
体のひねりに合わせて、くりん、って動き出すのですから。

まあ、一般的にデスクチェアとしてみれば何の珍しさもありませんが、
これがアンティークのベントウッドチェアですからちょっと事情が違います。

古いトーネットのカタログモデルを見ても、「OC0013 ベントウッド オフィスチェア」のタイプ、
つまり「1本軸」式の回転椅子しか掲載されておりません。
ということはおそらく、かなりの事情通の方でも見たことがないモデルのはずです。

間違っていたら恐縮ですが、かなりの高い確率で、こちらは
日本に初めて入ってきたタイプのベントウッドチェアといって良いのではないでしょうか。

このような珍しいベントウッドのバリエーションが作られていたのは、おおむね第二次大戦以前。

回転方式も「軸式」ではなく、見たことのない「ベアリング式」で構成されていて、
仕組みの合理性からみて、20世紀初めごろに一時的に販売されたものではないか、と推測いたします。

商業的には、回転椅子には「OC0013」のような「軸式」がメジャーだったため、
その後、あまり普及することはなかったのでしょう。
外観的な独自性はほとんどありませんし。

でも、使ってみればわかりますが「ベアリング式」は軸がないため、
経年で軸のゆらつきは起こりにくいですし、案外、長く使うには良い仕組みなのかもしれません。
とても優れモノです。

う〜ん、それにしてもやっぱり“ベントウッドは奥が深くて楽しいですね。

このチェアはさしずめ、”世の中に知られることなく、ひっそりと姿を消した、
歴史の中に埋もれたコレクティング・ファニチャー、といえそうです・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 42,000 円
参考市場価格: 42,000 円
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