スーパーアンティーク 17世紀バイブルボックス / サイドキャビネット

お写真でこの重々しさ・・お伝えできるでしょうか?
デニム最古級のアンティーク家具になります。
英国アンティークディーラーの情報によれば、
17世紀末、およそ1690年頃、バイブルボックス(聖書を収納する櫃)としてつくられたものということ。
後年、19世紀にスタンド(脚)部分が後付けされ、近年ではサイドキャビネットとして使用されていたものだそうです。
う〜ん、でも、本当のところはちょっと違うかもしれません・・。
年代は・・感覚的ですが、おそらく17世紀後半のものとして間違いないと思います。
今から3世紀以上前、日本では江戸時代初期のころです。
まず時代のわかる目安として、トップの天板の一枚板ですが、その繊維質がカチカチに変化しています。
今まで古いアンティークを見た限りでは、いずれもそれは共通項で、
まさに、300年以上経過したオークの自然変化です。
それとヒンジ、そしてロック。
製作当時のオリジナルかどうかは確認するすべはありませんが、この金具自体は、
ゴシックからバロックの頃のオリジナルデザインです。
ハンドメイド製の鉄釘も、一部残っていますが、それはアーリージョージアン(1714-1760)以前のもの。
この点でも時代考証は合っています。
何よりもデニムが着目したのは、接合部に釘止めが使われている点。
このように彫刻や良材が使われた上等な家具では、現代でもそうですが、
1620年代に開発されたダブテイル(蟻組み)と呼ばれる、釘を使わない木組みの接合方法(継ぎ手)が一般に使われています。
2つの部材に凹と凸をつくり、それをかみ合わせることによって、前板と側板を直角に継ぎ合わせる工法です。
ということは、このボックス、1620年代以前のもの?
・・確かにその可能性はあります。
デザインも1690年ごろですと、カロリアン〜ダッチという、ウォルナットが主流の“バロック”系が流行していた時代。
でもこちらのデザインはひと時代前の、ゴシックの影響を強く残した
チューダー(1485-1558)からエリザベサン(1558-1603)のもの。
が、当時は地域間の情報の伝達が非常に遅く、地方では(特に北部)では18世紀初期のころまで、
「釘打ち&ゴシックデザイン」が残っていた、ということですから、
17世紀後半のもの、という情報はかなり確度の高い情報と思います。
ただし、バイブルボックス、というのは後年そのように使われていた、ということではないかと思います。
一般的にアンティークの資料では、このような収納庫は “スウォードボックス”と呼ばれる、
当時、戦争の武器を収納していた木箱を指しています。
たしかにバイブルボックスに、これほどのゴツい鍵は必要ないでしょうし、ね。
こうしたスウォードボックスは後年、いろいろな目的に合わせて改装され、
現存している個体もわずかながら存在します。
おそらく、このバイブルボックスも、短剣などを収納していたスウォードボックスに
スタンドを追加して、後年別の目的に改装されたものと推測しています。
ちなみにスウォードボックスは、一般的にはスコットランドのお城から出たものが多いということです。
またアンティークのコレクターズアイテムの一つにもなっていて、
価格は平均2250ポンド!※現在1ポンド145円前後 もの値が付けられています。
もしかすると、このバイブルボックス、かなり掘り出し物?かもしれません。
それにしても、日本で言うとまだ徳川家康の生きていた「戦国時代」にも近い時代のものですから、
普通に考えれば、歴史資料館に飾られていてもおかしくないシロモノ。
それが「実用アンティーク」として普通にマーケットで売られているわけですから、
イギリス人の懐って、よほど深い?
いや、というよりも、たまたま紛れ込んでしまっただけかもしれません。
つまり、相当な「お宝」ってこと。
古ければ古いほど興味のわく方、または武器マニアの方、
これを見逃す手はありませんよ・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
118,000
円
参考市場価格:
118,000
円
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LOCKON CO.,LTD.