アーチバック ベントウッドチェア

20世紀初め頃より、イギリスで使われていたベントウッドチェア(曲げ木椅子)です。
アールヌーヴォー系デザインの珍しいベントウッドチェアです。
どこか、スクールチェアのようにかわいいスタイリングですね・・。
もともと曲げ木椅子はモダンデザインの源流とも言われていますが、
この椅子を見ると、なるほど、と納得がいきます。
まさにシンプル・モダンの本質が感じられるルックスだと思います。
この椅子の特徴は背や脚のストレッチャー(補強材)の形状です。
背にはアーチ型のトップレイルとスプラットが平板で構成され、
脚の付け根には、めずらしいU字型のストレッチャーがクロス状に装着されています。
ベントウッドチェアの代表格、トーネットのNo.14は背や脚の付け根に長い1本のぶな材を
ベントさせる(曲げる)ことで構成させていましたが、
この椅子は背に3本、脚の付け根に2本のパーツを使っています。
つまり部品を増やしたことで製作の作業工程は増えましたが、
逆に短い材を使うことで、割れにくくなり、
使う側にとっては強度が増したメリットがあります。
背もたれの幅が扇状になり、見た目にもサイズ感が強調され、
No.14とは違ったキャラクターになっています。
製作メーカーは ”LUTERMA”というエストニアのマニュファクチャー。
筆者は聞いたことはありませんが、バルト三国の中では最も技術が進んでいるエストニアで、
これだけの曲げ木椅子の製作を可能にしているメーカーですから、現地の大手企業なのではないかと思います。
ちなみにエストニアは第二次大戦後に旧ソ連に併合されていて、
現在のエストニア共和国が独立したのは1990年代ですが、
第二次大戦前、1920年にもエストニアは旧ロシアから一時独立をしていますので、
このチェアはその頃のものではないかと思います。
デザインや経年の具合からすると、もう少し古い1910年代くらいのものかもしれません。
ウィーン系のチェコやポーランドとはちょっと違う、実直さを感じるロシア系のデザインチェアです。
とっても、いい味出してます・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
16,800
円
参考市場価格:
16,800
円
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LOCKON CO.,LTD.