ヴィクトリアン マザーオブパール&カットガラスインクウェル


今から100年以上前、19世紀末のイギリスでつくられたヴィクトリアンのインクウェル(ポット/つぼ)です。
マザーオブパールのスタンドに切子ガラスのポット、そしてソリッドブラスのリッド(蓋)と、
当時はとても高価だったと思われるお品です。

・・今や、タブレットPCにスタイラスペンの時代。
万年筆なんて絶滅してしまった?

いえいえ、ご存知の通り、21世紀の現代でも万年筆は世代を超えて愛されています。

愛煙家にはライター、ファッションリーダーにはアクセサリー、ビジネスマンには手帳、
今も昔も変わっていません。
そして、文筆家には万年筆ですね。

といっても別に、文筆家ではなくても万年筆はちょっとそそられるアイテム。

そんな万年筆愛好家(コレクター)の方には、インクウェルもまた、
自分のデスクには鎮座していてほしいアイテムではありませんか?

「万年筆って、インクカートリッジでインクウェルなど不要では・・?」
と思われる方は、真の万年筆愛好家ではありませんね。
ヘビーユースには「つけペン」使用するのが本当の愛好家ですから(とある本に書いてありました)。

しかし正直なところ、万年筆を使用しない筆者にはインクウェルの効能はわかりません。

でも、こちらの「モノ」としての価値は、筆者にも充分すぎるほどわかります。
アンティークファンの方もお分かりですよね。

まず、スタンドに張りこまれた、小さな正方形のマザーオブパール。
当然、機械ではなく一枚一枚、手作業で張り込まれたものです。

そして、台座の手前側のスペースには真鍮鋲のようなボタンがつけられていて、
これはペンの置き位置を示しているようです。
機能美的ですね。

ガラスのポットは職人技の切子ガラス。
ガラスは透明感があり、クリスタルガラスのようにずしっと重みがあります。
(クリスタルかどうかはわかりませんが。)
ちなみにこのようなガラスを彫刻する技術というのは、日本では19世紀末まで存在していなかったんですよ、知ってました?

いわゆる「江戸切子(きりこ)」というカットガラスは江戸末期になってようやく、
英国から日本にもたらされたものです。

スタンドに収める穴とビンの底とのサイズ合わせは、おそらくこれも製作上の手作業で合わせていたのでしょう。
スタンド側をあとから削り合わせていたのかもしれません。

ブラスのリッドにもマザーオブパールが収められていて、かなり手が込んでいます。
蓋は型による鋳物と思われますが、この型は汎用品なのでしょう、
そのためか、ガラスとのサイズには微妙に差が出ていて、当時のコーキングのような充填剤で
蓋とビンは固定をしていたようです。(今は外れます。)

一見、見過ごしてしまいそうですが、よくよく見てみると
ほとんど手作業でなければできない仕様であることがわかります。

まさに工芸品といえるクラスのインクウェルです。

でも実用目的ならば、例えばモンブランなどの現代のインクウェルなどをお求めになられた方が良いでしょう。

そうではなくて、愛用の万年筆の周囲を飾りたいだけなんだよ・・、という
ジェントルな方へ。

19世紀を生きた文筆家から21世紀を生きる文筆家へ。
素晴らしい贈り物だと思います・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 10,500 円
参考市場価格: 10,500 円
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