トーネットThonet ベントウッドコートハンガー


かの建築家、ル・コルビュジェも愛用した歴史ある名作家具、
トーネットThonet社と思われるベントウッドコートハンガーです。
こちらはアンティークファンのお客様からのご提供品で、とてもお値打なお品になります。

おぉ、何と素晴らしきボディライン・・。
完璧ですね。

こちらのコートハンガーは、家具の歴史を塗り変えたトーネットThonet社が
19世紀末頃に発売した商品モデル♯10401(もしかするとその前身モデル)になります。

ラベルや刻印は残念ながら確認できませんが、現存する1904年のカタログよりも一回り古いフォルム!

例えば、ステッキやアンブレラを立てておく下部セクションの、外側にスクロールする4つの脚の飾りが、
1904年モデルが「一重巻き」であるのに対し、こちらは「2重巻き」。

一般的に、時代が進むほど、ベントウッドは簡素化、省略化されてきていますので、
こちらの「2重巻き」モデルの方が古いことが想像されます。
かなり高い確率で、19世紀もののトーネット正規品と思われます。

また、この曲げ木の曲線、そして1世紀もの間、歪みや割れをほとんど見せないこの素材品質の高さを見れば
分かる人にはわかりますが、これだけのベントウッドファニチャーを完璧にコピーできる能力は当時、
トーネット社以外にはJJコーン社以外は存在していなかったはずです。

JJコーンに関しては、1900年のカタログを見る限りでは、時代的には非常に似たデザインではあるものの、
脚の形状が違っていました。

よってトーネット社の1904年以前のモデルである確率がきわめて高いです。
何という貴重品・・。

現在巷で製作されている曲げ木家具のコートハンガーは、1904年モデルの♯10401タイプのレプリカになります。
つまり、このハンガーは現在つくられている曲げ木コートハンガー、
その全てのレプリカのルーツとなるオリジナルモデルなのです!!

でもレプリカではここまでの“ウィーンの曲線”を再現することは、現代品ではまず不可能!と断言いたします。

人手にゆだねなければならない、技術に左右される生産工程もその原因の一つですが、
最大の理由はこれだけの長さを持つ、良質なヨーロピアンビーチ材が既に入手できなくなってしまったこと。

つまり既に復刻が不可能な商品となってしまったのです。

ちなみに同じベントウッドで、ロッキングチェアも同様に、現在では復刻が困難な商品です。

ロッキングチェアのレプリカを見ればわかりますが、曲げ木の構成を変えたり、合板を使用したりして、
全く同じ造形のロッキングチェアはすでに存在していません。

余談ですが、数年前、某家具屋さんでドイツ・トーネット社製♯7001のロッキングチェアレプリカが
壮大な復刻プロジェクトによって製造・発売されましたが、
そのお値段、何と149万円!

いくらなんでも・・。

もともとベントウッドファニチャーは19世紀に開発されたハイテク家具なのですが、
特殊技能の要らない安価な量産家具、という点がセールスポイントだったのです。

それがこのような事態に・・。

きっと、このコートハンガーが復刻されたとしても、同じようなお値段がつくことになるのでしょうね。

今や、“アンティーク・トーネット”は家具界の「最高級ブランド」というべきですかね・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 84,000 円
参考市場価格: 84,000 円
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