ツイン4セクション スタッキングブックケース


20世紀初頭、1900年頃に製作された、“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”スタイルのブックケースです。
棚がそれぞれ独立していて、棚の段数を変更できる当時の機能家具です。

とても質の良いオーク無垢で構成されたフレームワーク、
シンプルなリフトアップ式のユニットデザイン・・。

心が打たれるほどの究極のスタイリング、といっても過言ではないと思います。
“アーツアンドクラフツ”(19世紀末の美術工芸運動)の流れを汲む、本当にとても美しいスタイルです。

ところで、家具の歴史は19世紀後半より、古典的な様式家具から近代的な機能家具へと、
時代のシフトがはじまりました。
その時代の潮流の中で、デニムが愛する2つの“ビッグネーム”が生まれます。

何度もご紹介しております通り、一つはトーネットというベントウッドマニュファクチャー(曲げ木家具メーカー)。
そしてもう一つは、このグローブヴェルニッケ、というキャビネットメーカーでした。

アンティークを知れば知るほど、この2社が私たちの歴史にいかに大きくかかわってきたか、
思い知らされることになり、尊敬の念を抱かざるを得ませんでした。

トーネットはウィーンのカフェ文化を世界中に広め、人と人とのコミュニケーションの高度化に寄与しました。
そして、このグローブヴェルニッケはビジネスの情報をセクショナルに管理することを可能にし、
オフィスワークの効率を飛躍的に発展させました。

今、文化的な生活を送る上で欠くことのできない、カフェとオフィス。
これらの文化が発達した裏側では、トーネットとグローブヴェルニッケという
「黒子」の果たした役割がいかに大きかったか、私たちは忘れてはなりません。
人類の歴史を進化させた家具メーカー、と呼んでも差し支えないと思います。

・・と、話が横道にそれましたが、こちらのブックケースは、
その“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”スタイルのブックケース。
それも、かなり古い時代のセクショナルブックケースです。

メーカーは、刻印やラベルがないのでわかりませんが、商品品質から見て、
“グローブ ヴェルニッケGlobe Wernicke”と同等、いやそれ以上のクオリティーを備えています。

“グローブヴェルニッケ”タイプでは、”ハリス・リーブスHARRIS LEBUS” や、
”ケンリック エファーソンKenric Efferson”など、超一流のキャビネットメーカーが
同等のセクショナルブックケースを製作していますが、
こちらのブックケースはそのいずれのメーカーにも劣っておりません。

その品質レベルは、1世紀以上もの歳月を経て、これほどの精度をもつ無垢の組み立て家具が
このように存在していることで、明らかに証明されているでしょう。

デザインは、グローブヴェルニッケの1899年から1906年の”スタンダードスタイル”というモデルとほぼ同等。
トップセクションとボトムセクションがデザインモジュールとなっていて、
ダブルサイズ50インチ(約127cm)の最大幅もグローブヴェルニッケと共通になっています。
当時の1899年カタログで見る限り、かなり外観が酷似したモデルです。

情報量が少なくてわからないのですが、当時、同業のメーカー間にはつながりがあったのでしょうか?
おそらく、オリジナルのグローブヴェルニッケと並べても違和感がないように思われます。
もしかすると、グローブヴェルニッケの旧式モデル?

ダブルサイズのワイド仕様でオリジナルのグローブヴェルニッケは、
数が少なくてアンティーク市場ではかなりの貴重品。

この様なコンディションの良いスタッキングブックケースならば、
メーカー問わずコレクターズアイテムといえるでしょう。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 252,000 円
参考市場価格: 252,000 円
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