ダブルボウバック ウィンザーアームチェア

今から100年ほど前、20世紀初頭、イギリスで製作されたウィンザースタイルのアームチェアです。
こちらは初期のころのウィンザーデザインを再現した珍しいモデル。
カントリー系のアンティークチェアに詳しい方なら、その希少性はご存知でしょう。
ウィンザーチェアといえば、今や世界各国でつくられているポピュラーなカントリーチェアのカタチ。
でも、今広く知られているウィンザーチェアデザインは、アメリカ発のコロニアルスタイルだということ、
実は知る人は少ないのではないでしょうか。
もともとウィンザーチェアはイギリスが発祥の地なのですが、後にアメリカで広く普及し、
アメリカから世界各地に広まることになったんですよね。
したがって、現在一般にみられるウィンザーチェアの多くはアメリカスタイル、ということになります。
本場英国でさえ、今ではコロニアル風のウィンザーチェアが主流です。
一方、このチェアはそのウィンザーチェアのルーツ、初期の頃のウィンザーデザインです。
イギリススタイル、というとわかりやすいでしょうか。
初期のウィンザーチェア、というのは、1700〜1725年ころのこと。
イギリス・ウィンザー城周辺の車大工や挽き物師が、当時の農民たちのために製作した椅子、
その椅子がウィンザーチェアと呼ばれるようになった、といわれています。
その時代、世の中のデザインは、「猫脚」に代表されるクイーンアン様式が主流でした。
ウィンザーチェアも例外ではなく、初期のころのウィンザースタイルはクイーンアンチェアをまねた、
カブリオールレッグ(獣脚)&ベースバック(花瓶状の背もたれ)のロココ風デザインでした。
それがこのチェア。
ストレートな「ハ」の字型の脚に見慣れた人には、前脚の「猫脚」が新鮮に映るのでは。
ホイールバック(車輪型の背もたれ)もかなり古い時代のデザインのようです。
この初期型のウィンザーチェアは工法がシンプルで、
実用性の高いそのチェアは、庶民に受け入れられ、彼らの生活に浸透。
そしてその後、世界初の家具デザイナー、“トーマス・チッペンデール”や“ヘップルホワイト”たちにより、
従来の古典様式とは違う、新しいタイプのチェアとして洗練されていき、
さらには海を渡り、アメリカで独自に“コロニアル”様式の家具として熟成され、
世界各国へ普及していくことになります。
ということで、話は長くなってしまいましたが、ウィンザーチェアが誕生したごく初期の
とてもめずらしいタイプのチェアデザインであることがお分かりいただけたことと思います。
現代のウィンザーチェアのルーツにあたるモデルです。
まだ農民たちの家具だった時代、その頃のデザインを忠実に再現した復刻品といえるでしょう。
フォルムは英国伝統の「二段」タイプのダブルボウバックデザイン。
エルム無垢の一枚座面とアッシュ系無垢の曲げ木パーツで構成され、
実際に永い間生活で使用されていた、まさしく「真のウィンザーチェア」と呼べるものです。
ぜひ次代へ引き継いでいただきたい、“コレクタブル・アンティーク(収集目的の骨董品)”です・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
102,900
円
参考市場価格:
102,900
円
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