スーパークオリティ シノワズリ スモールティーテーブル


今から1世紀半ほど前、19世紀半ば〜末にかけて、
レイト・ヴィクトリアンのイギリスで製作された、見事な彫刻のオケージョナルテーブル/アーンスタンドです。

・・仕事柄いろいろなテーブルを見る機会に恵まれておりますが、
それでも、これほどのテーブルにめぐり合うことは1年に一度あるかどうか。
究極のハンドワーク、最高級のアンティークテーブルです。

このようなテーブルはもはや、実用家具などではなくて
「美術工芸品」としてご紹介させていただくべきかもしれません。

とはいえ、非常に特異な形状をしているテーブルに見えるかもしれませんが、
専門的に分析すれば、基本的には “マッシュルームテーブル” と呼ばれる、
19世紀後半ヴィクトリアン後期に人気のあったティーテーブルのデザインバリエーションの一つ。

マッシュルームテーブルとは、ヴィクトリア期の2ティア型(2棚)テーブルの俗称で、
S字を描く“カブリオールレッグ(猫脚)”を持つ、そのシルエットラインが、
「きのこ」の形をしていることからそう呼ばれていました。

ただし、こちらはティーパーティなどで使用される、“アーンスタンドUrn Stand”として専用製作されたようで、
一般的なティーテーブルに比べて天板は小さめで、躯体もがっしりとしています。

こちらのアーンスタンドにのせていたティーアーンTea Urnsとは、熱湯を入れる大きめの容器(ポット)のこと。
一般的にはポットのタンクの下には蛇口がついていて、そこからティーポットにお湯を注ぐ用途で使用されていました。

お茶自体、19世紀ではまだ上流階級の特権的な嗜好品でしたが、
特にティーアーンともなれば、フォーマルなお茶会などで主に使用されていた高価なお品でしたから、
当然のこと、このアーンスタンドもハイグレードな作りでデザインは貴族好み。

お茶の由来、中国風のシノワズリデザインを取り入れながら、ヴィクトリアンのフレンチスタイルにまとめています。
宮廷家具的なデザインセンスです。

装飾も伝統的な宮廷様式、ロココのロカイユをほうふつとさせるもの。

アカンサスのスクロール(植物柄の渦巻き)や帆立て貝をイメージしたシェルオーナメント、
そして躯体を支えている4本脚は、おそらく「龍」のカタチをイメージしたカブリオールレッグ(獣脚)で、
このテーブルの円形の天板は、この龍たちがあたかも神殿でもあるかのように支えている造形です。

その仕事振りには製作者の徹底したこだわりが感じられます。

とはいえ、これだけの優れた工芸品を製作できるマイスターは、いくら当時の家具の先進国イギリスとはいえ、
そうは多くなかったはず。

きっと、当時の貴族階級お抱えの家具工房が製作した逸品でしょう・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 108,150 円
参考市場価格: 108,150 円
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