ミニチュア ロールトップデスク ケース

イギリス・アールデコのころにつくられた、ロールトップデスク型のジュエリーボックスです。
のっけからちょっと難しいお話で恐縮ですが、
”ブランド・エクイティ”という言葉、ご存知ですか?
経済(マーケティング)用語なのですが、「ある商品のもつ固有の資産」とでもいったらよいでしょうか、
誰が見てもそれとわかる個性のようなものです。
ブランドエクイティは、そのブランドを他の新製品などに使い回しさせていく、「ブランド拡張」において、常用されます。
例えば、とても良く売れている柔軟剤の”ダウニー”。
そのさわやかな洗い上がりの香りから、ダウニーといえば、「良い香り」を連想しますよね。
そのブランドエクイティを使って、今ではお部屋の芳香剤からクルマの芳香剤、
消臭スプレーまで、さまざまな香りグッズが登場しています。
これも一つのブランド拡張といえますね。
こういう販売の仕方というのは、現代の大手メーカーではごく一般的な「販売戦略」、ってものになります。
ところで、そのブランド拡張って、一体いつごろから流行り出したものでしょう?
起源をたどればきりはありませんが、仮説の一つとして、20世紀半ばにイギリスで、
家具やインテリアのミニチュアが流行った時代に求められます。
(デニムの独断です。念のため)
良く出来たミニチュアのチェストやワードローブは、富裕層のアクセサリーケースなどに活躍したようですが、
これらのミニチュアはミニカーなどのように単に小さくしただけのものではありません。
例えば、このミニチュア“ロールトップデスク” 。
こちらは、そもそも良く出来たお品で、素人が日曜大工仕事で作れるレベルのお品ではないです。
かといって、大きな家具メーカーが量産できるような代物でもないと思いますので、
もしかすると、どこかの家具工房がシャレでつくったアイデア雑貨、といったくらいのものだったのかも知れません。
でも、ロールトップデスク、という「英国紳士のみが所有する」という威厳のある家具の”ブランドエクイティ”は、
しっかりとこのミニチュアにも受け継がれています。
明らかに庶民が拾った貝殻などを集めておく箱ではなく、
英国紳士が身につける時計やカフスボタン、指輪、その他の携帯品を収納するアクセサリーケースだったことは、
火を見るよりも明らかです。
アイデア雑貨というよりも、ロールトップデスクという高級家具のブランドイメージを、
「宝石箱」という共通の価値観をもつインテリアに採用した、と考える方が自然というものでしょう。
これこそ、現代の「ブランド拡張」のルーツではないでしょうか。
デザインはミッドセンチュリーの時代らしい、すっきりとしたレトロでモダンなフォルム。
主材は高級家具材のマホガニー。
さすがに高級家具並みの仕様は、今なお、その木肌はみずみずしく、ボディ全体が淡い艶に包まれています。
すでに1世紀以上という歳月を経ていながらも、一切の歪みを見せることなく、
当時のままの端正なフォルムをキープし続けている品質も絶品です。
さらにその木肌は100年という時だけが作り上げることのできる“パテナ(古艶)”を身にまとって、
より一層輝きを増しています。
これだけのハイレベルなトリンケットボックスですから、
所有されていた前オーナーも、どんな階級の方だったかは想像に難くないですね。
きっと、家柄の良い英国紳士が親しい友人から送られた贈り物、なんてところではないかと。
いやもしかして、前オーナーは女性・・?
(Buyer/YM)
価格(税込):
43,200
円
参考市場価格:
42,000
円
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