トーネットThonet #7010ベントウッドスモールロッキングチェア


今から1世紀ほど前、ポーランドあるいはチェコで製作されたと思われる、
かなり古い時代のトーネットThonet社製ベントウッドロッキングチェアです。

ヴィクトリアンのイギリスアンティークとして入荷した、とても希少なコレクションピースです。

こちらのロッキングチェアは、Thonet社が1860年に発売した
初代曲げ木ロッキングチェア♯7001の後継モデル、♯7028のスモールサイズバリエーション♯7010になります。

トーネットのロッキングチェアといえば、かのパブロ・ピカソPablo Picassoも愛用した歴史ある名作椅子。
アンティークファンなら垂涎のお品でしょう。

ただし、こちらは1900年頃のトーネットのカタログをみると脚のストレッチャー(補強材)の形が微妙に違っているため、
もしかするとトーネットThonet社の商品ではなく、当時の競合他社製の可能性もあります。
しかし、残念ながらメーカーの刻印がなく文献も少ないため判定は困難です。

といっても、このロッキングチェアの製作には8mもの長さのブナの直材が必要で、
どの曲げ木企業でも製作できた、というシロモノではありません。

そのようなブナ材が安定的に確保でき、かつ、技術的にも難易度の高いこのような曲げ木椅子を製作できたのは
普通に考えたらやはりトーネット社以外ないでしょう・・。

いや、他社であり得るとすれば、当時の最大のライバル企業、ヤコブ・ヨゼフ・コーン社Jacob & Josef KOHN。
ただしJJコーン社は後にトーネットと合併しますので、やはりトーネット社製ということになります。

おそらく、トーネットのイギリス向け仕様でストレッチャーの強度を高めたモデル、
と考えるのが自然なように思います。

まあ、メーカはともかく、こちらは現代仕様のはめ込み式ケインシート(籐張り座面)ではなく、
オリジナルの「カゴメ編み」(手編み)シートで実用コンディション!

さらに、現存する数少ない小ぶりなロッキングチェア♯7010ですので
はっきり言って、アンティークとして相当な貴重品です・・。

もともと、量産が難しかったベントウッドのロッキングチェア自体、アンティークでも流通量は少なく、
チェコとポーランドでは今でも生産は続けられておりますが、生産数が少なくそちらも大量入手は困難です。

特に、8mもの長さのヨーロピアンビーチ直材が、既に現地で入手できなくなってしまったことで、
完全にアンティークと同仕様のロッキングチェアは、もはや現代では存在し得なくなりました。

余談ですが、数年前、某家具屋さんでドイツ・ゲブルダートーネット社製♯7001の初代ロッキングチェアレプリカが
壮大な復刻プロジェクトによって製造・発売されましたが、
そのお値段、何と149万円!

もともとベントウッドチェアは19世紀に開発されたハイテク家具なのですが、
特殊技能の要らない安価な量産家具、という点が画期的だったのです。

それがこのような事態に・・。

時代は変わり、今や、家具界の“ロールスロイス”というべきですかね・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 127,440 円
参考市場価格: 123,900 円
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