ヤコブ&ヨゼフ.コーンJ&J.Kohn No633 ベントウッドアームチェア


今から100年以上前に作られた、大変美しいアンティーク・ベントウッドチェアです。
デニムがフランス人のベントウッドコレクターよりゲットしてまいりました。

こちらは旧トーネットThonet社の前身、ヤコブ&ヨゼフ・コーンJacob and Josef Kohn社製、
トリプルループバックのとても珍しいコレクションピースになります。

※こちらはDC1023 ヤコブ&ヨゼフ.コーンJ&J.Kohn No633 ベントウッドチェアと2脚ペアで入荷いたしました。

手間暇のかかった19世紀のベントウッドチェアは、
本当に別格にきれいなラインです・・。

特にトーネット社の当時の最大のライバル企業だったJJコーン社のベントウッドチェアについては、
アンティークで見る限り、率直に言ってその商品性はトーネットを超えていたように思えます。

JJコーン社はもともと、トーネット社の「曲げ木特許」が切れた1869年、
満を持してスタートしたトーネットにとって最大のライバル会社でした。
後発企業でありながら、デザイン力、技術力ともに高く、
アドルフ・ロースの”ミュゼアム”チェア、ヨゼフ・ホフマンの”サナトリウム”のチェアなど、
多くの歴史に残る名作椅子を数多く輩出しました。

しかし、JJコーン社は20世紀にはいるとムンドス社と合併してコーンムンドス(1914年)となり、
さらに第一次大戦が終結した1922年にはトーネット社とも合併し、“トーネット・ムンドス”社と社名変更します。
そうした会社の変遷はいずれも経営的な事情によるところが大きかったようですが、
それ以上に、おそらく相互に商品開発上のメリットがあったものと思われます。

さて、こちらのチェアは、JJコーン社がトーネットやムンドスと合併する前の純粋なJJコーンオリジナル品。
大変貴重な旧書体の刻印&ペーパーラベル入りモデルです。

ベースモデルは、JJコーン社の高級ラインアップでマニアが血眼になって探している”No33”。

No33は籐張り仕様のモデルでしたが、No33には”No533”と”No633”というバリエーションモデルが存在し、
前者が生地張り&パイピングトリム、後者が革(ビニール?)張り&スタッズトリムの仕様となっていました。
※下記エキストラフォトJJコーン社カタログ抜粋ご参照

ということで、こちらのチェアはそのNo33のバリエーションモデル、No533として製作されたものですが、
デニムが生地張りから革張りに変更し、No633の仕様とさせていただきました。
きちんと商品の歴史と仕様を踏まえた適切なメンテナンスです。

尚、No33は、1904年のカタログではすでに定番商品化されていますので、
33番目という数字の若さからいっても、JJコーンがベントウッド事業に参入したほどないころ、
少なくとも1870年代には存在していたモデルと思われます。

当時のカタログプライスから見ても明らかにフラッグシップクラスのチェアで、
サイドチェア、アームチェア、セティと、3種が共通デザインで用意され、
メーカーとしても力の入ったモデルであったことがわかります。

その品質の高さは素材の「質」を見ても明らか。
1世紀以上経過してもほとんど亀裂すら見せない素材のヨーロピアンビーチは、
標準的なベントウッドチェアよりも一回り太く、硬質に感じられます。

さらに3つのループが複雑に絡み合って、2本の後ろ脚と2本のサイドプレス、そして背当てのリングを構成するなど、
当時としては衝撃的ともいえるほどのエポックメイキングなデザイン。
下記にかなり高級クラスのカンファレンスホールで使用されている写真がありますのでそちらもご覧になってください。
世間の評価もわかるというものです。

また製造には高い素材品質と高度なノックダウン(組み立て)のテクニックが必要だったと思われ、
当時の著名なデザイナーたちが、こぞってJJコーン社にその製造依頼をした、
という史実にも確かにうなずけるものがあります。

最高品質のベントウッドファニチャーを供給する一流メーカーの、さらにその中でも最高級ラインのコレクションチェアシリーズ。
それがこのNo33になります。

クラシックな台形の座枠形状、脚の付け根の装飾、通常のアンティークベントウッドよりも一回り大きいサイズ、など、
欧米のマニアたちが好むセールスポイントも満載です。
何よりもトーネットが作らなかった(作れなかった?)デザインですので、
骨董的価値はヨーロッパではSクラスです!

コレクティングファニチャーとしても、非常にコンディションの良い状態で維持されてきていて、
まさに博物館クラスのコンディション。
実用も可能なコレクションピースという点でもかなりポイント高いです!

いつか、日本でもアンティークベントウッドチェアが広く知られるようになった時、
こちらのチェアはきっと手の届かないほどの高級アンティークとなっていることでしょう。

デニムがお勧めできない理由は、まったくどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 198,720 円
参考市場価格: 193,200 円
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