エドワーディアン インレイマホガニーエクステンションブックスタンド

イギリス20世紀初めに製作された、ブックスライド/ブックエンドです。
アンティークならではのコレクターズアイテムです。
いつのころからか、私たちの生活の一部、必需品となっていた”ブックエンド”。
そう、1枚のスチール版を型抜きしてL型(あるいはT型)に曲げた、おなじみの文房具のことです。
日本語では「本立て」などと呼ばれ、本の重み自体がブックエンドを支え、
それゆえに本を常に立てておくことのできるスグレものです。
本は寝かして積み上げてしまうと、下の方にある本は取りにくいし、
壁に立てかけたりしてもだんだん斜めになってしまってそのうち倒れてしまう。
本棚もびっしり詰め込まないと立ててはおけないですからね。
本がどれほど増えようとも、ブックエンドさえあれば、常に本はきちんと背表紙を向けて立てておける。
いつも何気なくブックエンドを見るたびに、
「これ考えた人、すごいな・・」と、ひそかに感心していたものでした。
でも、このスチール製のおなじみのブックエンド、実はそんなに古くからあったものではありません。
調べてみると、1870年には特許が取られていたようですが、普及したのは1950年代から1960年代ということ。
優れた機能をもちながらなかなか普及しなかったのは、おそらくスチールやプラスチックの日用品が
製造技術やコストの面で、まだまだ20世紀前半までは一般的ではなかったためでしょう。
ということで、おなじみのブックエンドの登場は20世紀後半、つまり現代まで待たなければなりませんでした。
では、ブックエンドが登場する以前は?
ようやくここからが本題です。
読む頻度の高い本というものは今も昔も、取りやすい机の上におくもの。
ブックエンドがない時代は、想像ですが、一般的には何か支えになる「重し」を用意し、
本が倒れないように一番端の本にあてていたのではないかと思います。
でも、裕福な家庭ではそんな不粋なことはしません。
専用の”ブックシェルフ”をデスクトップに置きます。
かつては書籍自体が高価なものでしたが、お金さえあれば蔵書はどんどん増えていくもの。
そんな時代に重宝されたのが、こちらの伸びるブックシェルフ=”ブックスライド”だった、というわけです。
豪華な本の体裁に位負けしないよう、側板はマーケットリー(絵画調の象嵌)でデコレートされ、
素材には100年経っても一切の反りを見せない、中米産と思われる高級マホガニーを使用。
使わない時には、ペタンと折りたたみ式にできる機能性など、
さすが富裕層がもつための高級品だけのことはあります。
合理化が最優先の現代の「もの作り」では、二度とつくられることのない贅沢品でしょう。
アンティーク品の世界では、このように今では失われてしまった「生活文化遺産」が星の数ほど眠っています。
このブックスライドも、まさにそんなアンティークならではのアイテムの一つ。
ぜひアンティーク上級者の方のお手元に・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
32,400
円
参考市場価格:
31,500
円
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LOCKON CO.,LTD.