トーネットThonet No114 ベントウッドチェア

19世紀終わり頃に製作された名作椅子中の名作椅子、
カフェスタイルのベントウッドチェア(曲げ木椅子)です。
そのベントウッドチェアの中でも、最も有名なループバックモデル、“No.14”は、
150年前の発表時から現在までに2億脚が生産されたといわれる、史上空前のベストセラー商品です。
アンティークファンの方だけでなく、どんな方でも、
どこかで一度は見かけたことのあるデザインの椅子でしょう。
こちらはそのNo14のバリエーションモデル、No114になります。
生産数が少なかったモデルと思われ、現存数が少なく、とても希少なコレクターズアイテムです。
こちらのチェアは、19世紀末ごろのオリジナル(旧)トーネット社製です。
ペーパーラベルはありませんが、”Thonet Austria”の刻印は確認ができます。
仮に刻印がなかったとしても、コンディションや接合部の構造、背もたれの3ピース形状、
そして“インタルシア”と呼ばれる座面のエンボス柄からも、ある程度は年代やメーカーを判断することができます。
刻印以外で、このチェアの年代の決め手の一つはフレーム形状。
ベントウッドの「丸棒」フレームは現代でこそ、ただの丸い棒が使われていますが、
第二次大戦以前、フレームにはまだまだ手間のかかる波型などのシェイピングフレームが使用されていました。
こちらのチェアの前脚や背柱をご覧になってください。
ただのまっすぐな丸棒ではないことがわかりますよね。
あたかもバルーンバックチェアの猫足のようなS字カーブを持つフロントレッグや
くびれたラインを持つバックレストは旧式ベントウッドの特徴。
1940年よりも前に作られた可能性が高いです。
またメーカーの刻印については、”Thonet Austria”は1920年以前の旧トーネット社の特徴。
トーネットがウィーン本社の時代の刻印です。
生産は、ウィーン工場が閉鎖され、コリッチャヌイ(チェコ)工場で行われているかもしれませんが、
オーストリア本社の管轄の生産という意味ではオーストリア製といっても良いかと思います。
尚、下記エキストラフォトには、No114シリーズのカタログ抜粋写真を掲載しておりますので
是非ご参照なさってください。
カタログは1904年のものですが、すでにNo114がアームチェアやセティなどとともに
シリーズとして定番商品化されていますので、No114自体は19世紀末ごろには既に販売されていた商品と思われます。
まあ、何にせよ、何億脚と生み出された曲げ木椅子のルーツを探るのはとても楽しい作業。
アンティークの醍醐味と言っても良いでしょう。
ぜひ、貴方もアンティークベントウッド・コレクターのお一人に・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
30,240
円
参考市場価格:
29,400
円
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LOCKON CO.,LTD.