スーパークオリティソリッドマホガニー ジョージアン チッペンデールゲートレッグテーブル

英国家具の黄金期、ミッド〜レイト・ジョージアンのバタフライテーブル、通称“ゲートレッグ”テーブルです。
ディーラー情報によれば、19世紀初頭、今から200年以上前に作られたものになります。
ただし、デニムの見立てでは違います。
デニムではさらに半世紀以上前の18世紀前半、アーリー・ジョージアン、
すなわち1740年前後に作られたものではないかと推測しています。
なぜか。
単純にこのテーブルがダイニングテーブルとして使われていた形跡があったからです。
ダイニングテーブルが、ダイニングルーム専用のテーブルとして作られるようになったのは、
実はそれほど古い時代ではなく、18世紀中盤。
まさにこのような4本脚のゲートレッグテーブルから始まったそうです。
ほどなくしてダイニングテーブルは、ゲートレッグからペデスタル(三つまた1本柱)タイプへ流行が移り、
エクステンションやドローリーフと言った拡張式テーブルに主流が移っていきますので、
このような4本脚ゲートレッグテーブルがダイニングテーブルとして使われているのはあまり見かけません。
ということは、こちらは状態から見ても、専用のダイニングテーブルが作られ始めた、リアルな初期のモデルでは?
デザインもストレートなボウル&クロウのゲートレッグが流行したのは1740年ごろです。
もちろん、それらはあくまで家具史の潮流的なお話ですので、例外はあるでしょうし、
4本脚のゲートレッグは19世紀前半のブレックファーストテーブル(朝食用食卓)として小ぶりに姿を変えていきましたので、
この世からなくなってしまったわけでもありません。
しかし、いずれにしてもデニムのこれまでの経験から、
正真正銘のジョージアンの家具であることだけは間違いないと思います。
それでも、まれにお客様から、「ジョージアンの家具であることを証明できる書類などがあるか」どうか、
お問い合わせをいただくこともありますが、
基本的にイギリスで通常に流通しているアンティーク家具は、残念ながら権威付けされたような証明書や、
そもそもそのような証明をする公的機関はありません。
しかし、いくつも家具を見てまいりますと、おおよそその家具がいつ頃つくられたものか、
大体見当がつくようになってきます。
その年代考証の主要なポイントは4点、デザイン、工法、素材の材質、そして経年の状態変化、です。
それではこのゲートレッグテーブルに関しては?
まずそのデザインを見てみましょう。
両側に跳ね上がるフラップのついたバタフライテーブルに、大きく門(ゲート)が開くような4本脚のテーブルは、
18世紀ごろのダイニングルーム専用テーブルとして、人気のあったデザインです。
朝食用のテーブル(ブレックファーストテーブル)としても18世紀後半〜19世紀前半に大変流行しました。
後にゲートレッグテーブルは6本脚にもなり、ティーテーブルなどさまざまなテーブルデザインに取り入れられていきます。
それゆえ、 “ゲートレッグ”タイプのテーブルは、しばしば見かけられることで、
「これってよくありがち?」なテーブルデザインに思えてしまいますが、
実はそれほど、本来のオリジナル・ゲートレッグテーブルは多くありません。
もともと大きなフラップがついていて、大きく広がる無垢の一枚板を、
わずかな細い脚で支えるデザインは、現代規格から考えるとある意味で特殊なテーブルといえます。
普通に考えれば、そのような贅沢な用途のテーブルを当時必要としたのは一握りの富裕層だったことと思います。
それゆえそもそも流通量が少なかったのでしょう。
事実、ジョージアンのゲートレッグテーブルは高級家具クラスが多く、
コレクタブルズクラスのアンティークオークションではよく見かけるものの、
一般的な実用アンティークとしてはあまり見かけないのでは、と思います。
逆にいえば実用アンティークとして、
一般的な価格相場で出回っているジョージアンのゲートレッグテーブルがあれば
相当なお値打ち品、といえます。
ちょっと話が横道にそれてしまいましたが、まずテーブルデザインに関しては、
こちら、脚元がすっきりとしていて着座しやすく、「食卓用テーブル」にぴたり、と言えます。
次に工法。
見どころはいくつかありますが、最もわかりやすいのが抽斗(ひきだし)などの函組みの継ぎ手(仕口)。
大雑把にいえば、18世紀までは「包み型」のダブテイル(蟻組み)、19世紀になると現代の蟻組みと同じ構成ですが、
ハンドメイドのため形状が均一でない「不揃い型」のダブテイル、
20世紀になるとマシンメイドの正確な「揃い型」ダブテイル、と分類できます。
そしてこちらのテーブルの引き出しの継ぎ手は、18世紀の「包み蟻」の進化系。
すなわち、蟻組の前板部分を化粧張りで隠す18世紀型の「包み蟻」の構造は変わっていませんが、
その蟻組が細かくなっているタイプです。
※下記エキストラフォトをご参照ください。
この接合の形状によって、同じジョージアンのテーブルでも18世紀末と判断されるか、
19世紀初頭と判断されるか、変わってくるのです。
素材の材質については、これも大雑把にいえば、つくられた時代毎に流行した材料があったということ。
詳細は割愛いたしますが、ジョージアンといえば「マホガニーの時代」。
こちらのテーブルの天板、これだけ大きな面積をマホガニーの一枚板で構成しています。
信じられますか?
今では入手困難な材料、南洋系のマホガニーですら、これほどのサイズ、○○万円はすると思います。
しかも無垢で2世紀経過しているのに反りはほんの誤差の範囲内です。
脚も極限まで細くシェイプされていますが、ご覧のように未だに端正な直線をキープしています。
かつての植民地産の上級マホガニーであることはほぼ間違いなさそうです。
最後は経年変化。
これはもう、見る人間の「目利き力」しかありません。
どのくらい使われたものか、その風合いや色合いを、経験値で持って主観的に判断いたします。
メンテナンスの仕方によっては無垢の家具は新品のように再生されてしまうこともありますので、
このテーブルに関しては「時代感」を残してリフレッシュしています。
・・この古さ、わかりますか?
ということで、デニムの時代考証を信じてください!
日本でいえば江戸中期ごろの家具でしょうか、
間違いなく、数々の歴史の大波を乗り越えてきたテーブルと断言いたします・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
199,800
円
参考市場価格:
194,250
円
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