トーネットTHONET フォールディングベントウッドチェア


とても希少なアンティーク・ベントウッドチェアが入荷いたしました。
こちらは旧トーネットThonet社製、19世紀末から20世紀初頭につくられた、
当時のオリジナルモデルのベントウッドチェアになります。

まず普通ではお目にかかれない大変珍しいアンティーク・フォールディング(折りたたみ)チェアです。

現代の感覚だと、フォールディングチェアといえば、「パイプいす」などに代表されるように、
仮設的な家具というイメージですよね。

副次的、というか、マグカップに対して紙コップというか・・。(言いすぎ?)
安価な消耗品というイメージを持っているのは筆者だけでしょうか?

それほどではなくても、まず「一生ものの椅子」というスタンスで、折りたたみ椅子を探されている方は
そう多くはいらっしゃらないと思います。

でもこのトーネットの折りたたみ椅子をみると・・それまで抱いていた印象は吹っ飛びますね。
手間暇のかかった19世紀のフォールディングチェアは別格にきれいなラインです・・。

ところで、トーネット社はもともと、1860年代、創始者のミヒャエル・トーネットが存命していたころより、
すなわち、クラシックトーネットのラインアップに、すでにフォールディングチェアはくわえられておりました。

そう、マニアの方ならご存知の通り、No63××番台のイージーチェアのシリーズです。
ほぼロッキングチェアなどと同時代に作られた商品で、おそらくは場所をとりがちな(寝椅子的なので)ため、
折りたたみ機能を備えて、未使用時の収納を良くしたものでしょう。

ロッキングチェアですら折りたたみ式になっていることを見ても、
当時、省スペース性にかなり苦心をしていたことがうかがわれます。
要するに、初期の時代は「メインの椅子」の機能の一つだったんですね。

それが19世紀末ごろより、コンサートホールや映画館などで、大量に折りたたみ椅子が消費されるようになると、
「折りたたみもできる」椅子から「折りたたんでおく」椅子がカタログの一角を占めるようになっていきます。
具体的には、”ガーデンチェア”のシリーズです。

もちろん、トーネット社以前にも折りたたみのガーデンチェアは存在していたことでしょう。
主にアイアン製と思いますが、かなり古い時代の折りたたみガーデンチェアでも今尚現存しています。

一方トーネット社は、自社が得意なビーチ無垢フレームを使って、
ガーデンチェア&ファニチャーのシリーズ化に乗り出します。
時代的には1870〜80年代ではないかと思います

ご参考までにエキストラフォトに20世紀初頭のガーデンチェアのカタログの一部を抜粋しています。
もうこのころには、現代の折りたたみ椅子のイメージになってきてますが、
「X脚」であるところがアンティークらしくていいですね。
スタイルも現代の「A脚」(横から見た形が)より「X脚」の方が断然スタイリッシュです。

前置きが長くなってしまいましたが、こちらのフォールディングチェアは
そんなガーデンチェアのシリーズの一つと思われます。

年を経るにつれて、折りたたみ椅子はどんどん簡素化されていっていますが、
まだまだこのころは、デザイン優先で作られていたようで、カタログのイラストを見ても、
専用金具が使用されているなど、一箇所に荷重負担が集まりやすい欠点を解消しようと、
さまざまな工夫がなされているのが見受けられます。

現代では、法律的にも、デザイン性よりも安全性最優先で製作されていますので、
みんな似たような「A脚」モデルばっかりになってしまいました。
トーネットモデルのような、かっこいい「X脚」の折りたたみ椅子はもう無くなってしまったのでしょうか・・。

ちなみにこちらのチェア、サイズ的にみて、「子供椅子」とは思われますが、
トランクに収まってしまいそうな携帯性と大人でも座れる強度がありますので、
家族でのハイキングなどにも重宝していたように思われます。

しかし、20世紀初期のカタログにはこちらのチェアの掲載がないので、
どのような目的で使われていたものなのかはあくまで推測の域は出ません。

構造や共通パーツ面で1904年カタログのガーデンチェアシリーズと非常に近いので、
まあ、当たらずも遠からず、といったところではないかと思います。

ただ、1904年のフォールディングチェアは脚だけが折りたためるのに対して、
こちらは脚と背が同時に折りたため、とても小さくなるなど、構造がやや複雑になっています。

構造は古いほど複雑なのと、トーネットの残存しているラベルが1888年から1922年までの”GT”ロゴですので、
デニムでは、このモデルは19世紀末のフォールディングチェア初期のころのものではないかと思っております。
だとすれば大変貴重なアンティークです。

状態も良く、間違いなくコレクターズコンディション。
一般の市場にこのようなグッドコンディションで出てくる事はまずあり得ません。
時代が経てばたつほどその価値は高くなってくるものと思います。

実用面でも、モダンのルーツのような出で立ちも、アンティークインテリアにはぴったり。
飾り棚用途にも、十分にお役立ていただけます。

ということで、アンティークトーネットファンにはぜひゲットしていただきたい、コレクションアイテムになります。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 37,800 円
参考市場価格: 36,750 円
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