ギローGillow of Lancaster スーパークオリティオーバルチルトアップテーブル

英国高級アンティーク家具の代表ブランド、
ギローGillow社製のスーパーチルトテーブルが入荷しました!
ギローといえば、英国アンティークファンの方ならだれでも一度はあこがれる、
最高級のマニュファクチャーブランド。
イギリスのアンティークディーラーはこぞって、人気のあるギローの家具を買い集め、
中には手っ取り早く、ギローのアンティーク家具だけを販売する専門店も少なくないほど。
英国の家具オークションなどでは、言うまでもなく常連ブランドです。
ギローといっても、数の上ではワーリング&ギローWaring and Gillow社製の家具が圧倒的にメジャーでしょう。
ワーリング&ギローとは、19世紀末、ランカスターのギロー社と
リヴァプールのワーリング社が合併した合弁会社です。
ワーリング&ギローのブランド母体は言うまでもなくギロー社。
18世紀の名門家具ファクトリーといえば、ギロー、スメーSmee、ホーランドHollandなど、
いくつかその名をあげられますが、ギローはその中でも筆頭格でした。
ギロー社は、1695年、Robert GillowがランカスターでスタートしたCabinet Makerに始まります。
元々、船大工だったギローは、西インド諸国への度重なる航海で、
現地の最上級“マホガニーの輸入ルートを開拓。
西インド諸国との二国間貿易は順調に運び、ギローは18世紀の「マホガニーの時代」の先鞭を付けます。
その後、Gillow社はイギリス屈指の高級家具メーカーとして急速に拡大していきました。
当時の最先端の家具メーカーといえば、時代のファッションリーダー。
顧客はもちろん王侯貴族、大邸宅を持つお金持ちの人々が中心です。
イギリスのロイヤルファミリーさえも、ご用達だったということでした。
ただし、奢る平氏も久しからず、量産家具の時代を経て、時代は大きく変わり、
1961年にはギロー社は事実上、倒産してしまいます。
一時代を築いたギロー社の歴史は、家具史の盛衰の歴史、と言ってもよさそうです。
今回紹介させていただいたこちらの同社製のテーブルは、年代的に見て、ワーリング&ギロー社製ではなく、
オリジナルのギロー オブ ランカスター社製と思われます。
英国ヴィクトリアンスタイルのス典型的なデザインながら、
Gillow社ならではの、厳選された素材と高い技術力で作られた「最高級」と呼ぶにふさわしいテーブルです。
このテーブルデザインは、現在出回っている“ペデスタル・テーブル”のルーツとなる、
ヴィクトリア期のオリジナルデザイン。
正真正銘、ペデスタルテーブルが誕生した1世紀半前に作られた本物のアンティークです。
“ペデスタルPedestal”テーブルとは、テーブルの脚が四隅、あるいは両端にあるのではなく、
一般的に中央に1本、台座式に天板が支えられている構造をもつダイニングテーブルの総称です。
古くはイギリス18世紀半ばごろ、主に王侯貴族の朝食用テーブル(BreakFast Table)として多くみられたデザインで、
19世紀にはいるとヘップルホワイトなど、著名な家具デザイナーが自身のテーブルデザインに取り入れはじめました。
すると、こうした1本柱の台座式テーブルは瞬く間に広く普及することになりました。
といってもこうしたテーブルは、明らかに当時の平均的なダイニングテーブルよりも、数段上のクオリティをもち、
素材やその彫刻や飾りの豪華さを見れば、流行していたのは富裕層の間だけ、と気づきます。
当時も「高嶺の花」だったんだろうな、ということは容易に想像できます。
そもそも”ブレックファーストテーブル”とか、”サパーテーブル”とか呼ばれていた軽食用のテーブルというものは、
そのような生活スタイルをもつ王侯貴族クラスのだけのもの。
一般家庭には縁のなかったテーブルだったことでしょう。
富裕層相手に商売をしていたギローが、
このような貴族向けのブレックファーストテーブルをつくるのは当然のことでした。
このように典型的な19世紀のオリジナル・ギロー社製のテーブルなのですが、ただし残念なことに、
こちらのテーブルについていえば、ギロー社のマニュファクチャープレートが欠損しています。
ギロー社製の痕跡としては、4けたのリファレンスナンバーのみ確認できます。
しかし、それが確実にギロー社のナンバーであるかどうかは証明することができません・・。
こちらのテーブルがギロー社のものであることは、信頼おける英国ディーラーからの情報をベースとしていますが、
もちろんデニムにおいても検証は行っています。
まず、年代的には、前述の時代考証からも、木部の風合いからも明らかに19世紀に作られた経年が感じられること。
そしてこのテーブルの用途が間違いなく富裕層向けのブレックファーストテーブルとして作られていること。
当時、これだけの高級家具をつくるメーカーともなれば、それだけでかなり候補は絞られてきます。
またそのデザインは、厚みあるオーバル型のテーブルトップに四つまたのペデスタル構造、
と、ヴィクトリアン・ネオバロック様式のど真ん中!
当時の最先端のデザインが用いられています。
ペデスタルテーブルが誕生した当時のリアルタイムなアンティークです。
この点から、家具デザインの先端エリア、すなわち、
ロンドンか、ギローのあったランカスターあたりでつくられたものであることが想像できます。
そして、天板全面にはクオーターリング(四分法の化粧張り)のウォルナット・バール杢を使用。
そのベース材は何と、マホガニーの一枚板と思われる大判の豪華な無垢板。
このような材料が入手できるファクトリーともなれば、さらに候補は絞られてくるでしょう。
そして、ギロー製であるとデニムが判断した決め手は、”ギロースタイル”とも言うべき、その装飾法。
”エボナイズド”(黒檀色に染められた)マホガニーを天板の周囲に2重に蒸着させた技法。
これは”アンボイナベニヤー”Amboyna veneersと呼ばれるギローの特徴的なデコレーションになります。
これで、ほぼギロー社製であることは間違いないでしょう。
他にも1世紀半もの間、目立った劣化を見せない天板の化粧張りは、
アンボイナベニヤーの間にクロスバンディング(帯状の化粧張り)やストリンギング(線象嵌)をも盛り込む、
非常に高い蒸着技術で、よほどの専門象嵌師を抱えたメーカーでなければ作れなかったはずです。
もし、万が一、ギロー社製でなかったにしても、そのクオリティは、間違いなく
ギローと同等以上のスーパーアンティークで、十分に価格に見合った価値を持つ「19世紀の文化遺産」と、
断言をさせていただきます。
基本的に実用家具というよりもコレクタブルズ(収集目的のアンティーク)クラスになりますが、
天板がチルトアップする機能やしっかりとしたつくりの良さは、
少なくとも200年(あと半世紀)は実用にも耐えられると思われます。
インテリアとしても、“S”字を描くやさしい脚の曲線使いや、ゴージャスかつエレガントなレリーフのオーナメントは
不必要なデコレーションを廃することで、現代のインテリアスタイルにも対応するまとまりの良いデザインとなっています。
一生をともにしたいアンティークテーブルをお探しの骨董ファンの方には、
ぜひお勧めしたい「至高の一品」といえそうです。
デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
518,400
円
参考市場価格:
504,000
円
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LOCKON CO.,LTD.