トーネットTHONET No7010スタイルベントウッドスモールロッキングチェア

今から約1世紀前、フィンランドで製作された、
トーネットThonet♯7028スタイルの古いベントウッドロッキングチェアです。
とても希少なコレクションピースです。
こちらのロッキングチェアは、家具の歴史を塗り変えたトーネットThonet社が1860年に発売した
初代曲げ木ロッキングチェア♯7001の後継モデル、♯7028、あるいは♯7029になります。
♯7028は、かのパブロ・ピカソPablo Picassoも愛用した歴史ある名作椅子。
アンティークファンなら垂涎のお品でしょう。
こちらは座裏に、”Made in Finland”とありますので、おそらく現地でのライセンス生産品と思われます。
あるいは、パーツはチェコ、あるいはポーランドで製作された、現地組立モデルかもしれません。
ただし、このロッキングチェアの製作には8mもの長さのブナの直材が必要で、
どの曲げ木企業でも製作できた、というシロモノではありません。
そのようなブナ材が安定的に確保でき、かつ、技術的にも難易度の高いこのような曲げ木椅子を製作できたのは
トーネット社以外ありません。
いや、他社であり得るとすれば、当時の最大のライバル企業、ヤコブ・ヨゼフ・コーン社Jacob & Josef KOHNでしょう。
おそらくいずれかのメーカーのパーツ供給品と思われます。
まあ、メーカはともかく、こちらは現代仕様のはめ込み式ケインシート(籐張り座面)ではなく、
オリジナルのベニヤシートで実用コンディション!
はっきり言って、アンティークとして相当な貴重品です・・。
ちなみにこのモデルのロッキングチェアは数年前、
旧トーネット社のポーランド工場で生産が終了してしまいました。
(チェコではちょっと型は違いますが、まだつくられているそうです。)
なぜ生産が終了してしまったかといえば、人手にゆだねなければならない生産工程がその原因の一つでした。
つまり、ヨーロッパの経済統合で東欧地区の人件費が高騰してしまったこと。
質の割に安価な商品価格がベントウッドチェアの競争力の源泉でしたが、
それが維持できなくなってしまったことが原因で残念ながら廃番品となってしまいました・・。
そしてさらに追い打ちをかけるように、良質なヨーロピアンビーチ材が既に入手できなくなってしまったこと。
つまり純粋なオリジナルのヨーロピアンビーチでは既に復刻が不可能な商品となってしまったのです。
(もちろんこちらのお品は最も質の良かったころのヨーロピアンビーチ材と思われます。)
レプリカを見ればわかりますが、曲げ木材1つ1つの長さを短くして構成を変えたり、合板を使用したりして、
アンティークと全く同じ造形のロッキングチェアは、もはや現代では存在していません。
余談ですが、数年前、某家具屋さんでドイツ・ゲブルダートーネット社製♯7001の初代ロッキングチェアレプリカが
壮大な復刻プロジェクトによって製造・発売されましたが、
そのお値段、何と149万円!
いくらなんでも・・。
もともとベントウッドチェアは19世紀に開発されたハイテク家具なのですが、
特殊技能の要らない安価な量産家具、という点がセールスポイントだったのです。
それがこのような事態に・・。
今や、家具界の“ロールスロイス”というべきですかね・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
127,440
円
参考市場価格:
123,900
円
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LOCKON CO.,LTD.