Portrait of a young girl / Oil Painting


デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
今から100年以上前の19世紀後半、おそらくイギリスで描かれたと思われる古い肖像画です。

青いターバンを巻いた「真珠の耳飾りの少女」を彷彿とさせる、
水玉のターバンを巻いた「白いドレスの少女」。

イタリア系ではないかと思われるオリエンタルな雰囲気の若い女性のポートレイト(肖像画)になります。

17世紀のオランダの巨匠、ヨハネス・フェルメールJohannes Vermeer(1632-1675)の作品を引き合いに出しましたが、
写実主義的な風俗画、という広いくくりでは共通点はあるものの、描かれた時代は違いますし、
作品の画風などにもそれほど大きな影響は感じられません。

ただ、描かれている女性のおかれているシチュエーションには、どことなく似た雰囲気があり、
つい「真珠の・・」を思い起こされてしまうものですから、引き合いに出してしまいました。

こちらの作品は、ロンドンのアンティーク絵画ディーラーよりデニムが直接入手いたしました。

こちらのディーラーはアンティークアートを専門に扱う老舗画廊で、
高価な価値ある作品のクオリティには定評があり、安心して信頼いただける入手元と思います。

そのディーラー情報によれば、前所有者情報につきましては、残念ながら不明とのことでした。

とはいっても、小振りなサイズで、あたかも美しいお花の静物画のようなインテリア性。
いかにもアンティークアートの収集家が好みそうな雰囲気の作品です。

きっとアンティークアートのコレクターが、ヨーロッパのクラシック家具にふさわしいインテリアとして所有していた
プライベートコレクションだったものと想像しております。

確かに、こちらの作品・・近年にフレームが交換されているように見え、
製作されたと思われる年代よりも新しく、見えますが、「薄っぺら」な複製画などとは次元の違う存在感。

美術品一般としても「格」の高さを感じるアンティークアートです。

購入には慎重になりがちなアンティーク絵画の肖像画ですが、こちらの絵画に関しては、
一級のアーティストによる「本物」のオーラが購入に一切の躊躇をさせませんでした。

ただし、作者につきましては不詳。
扱いディーラーによれば、19世紀のオランダ美術系、
あるいは東欧系のポートレイトぺインターによるものではないかと指摘しています。

この作品が描かれた19世紀後半といえば、イギリスで起こった産業革命が世界に浸透していったころ。
社会情勢が大きく変わっていく中で、美術の分野でも変化の波が興るのは必然といえました。

従来型のアカデミックな美術を否定する流れが起き、より理想的な描写を求めたロマン主義や、
より自然な表現を求めた写実主義、あるいはデニムでもおなじみの光の表現を追求した印象主義など、
新しい美術活動が次々に現れ、20世紀の現代美術へと受け継がれていきました。

でも、そういった美術論は大きな歴史の流れ。
サロンなどを中心とした中央でのトップエリートたちの動向を物語っているにすぎません。
実際には、19世紀はより豊かになった市民層が絵画の購買層として美術市場に登場し、
ぞうなれば当然、美術を学ぶ学生や職業画家を目指すアーティストたちのすそ野も急速に広がっていったことでしょう。

そんな状況ともなれば、商業的に成功しやすい風俗画も、数としては飛躍的に増加していたはず。
高値で売れる貴族好みの歴史画や古典美術に取り組んでいる画家もいれば、前衛美術を目指すものもいる、
そんな中で、スポンサーをつけて請負の風景画や肖像画などで生計を立てているものもいる、というように、
当時のアートマーケットは混とんとした多様化の状況だったのではないか、そんな風に想像しています。

実際、19世紀後半の作品という静物画、あるいは普通の市民を描いた肖像画を、
骨董絵画のアートオークションなどではよく見かけるように思います。

もちろん、着飾った身なりの良い貴族クラスの紳士淑女のポートレイトも相変わらず見かけますが、
お金持ちがお抱えの画家に描かせたものとはちょっと異質な、本当に普通の市民のありのままの姿のポートレイトが
現代、19世紀後半のアンティーク絵画として多く残されているように思います。

それらはヨーロッパ美術として俯瞰してみると、オリエンタルな容姿の若い女性が被写体になることが多く、
例えば、東欧系やアジア系、ラテン系の女性のポートレイトが中心。

作家の出身国も、北欧、東欧あるいはロシアと非常に幅広いです。

こちらの作品も、そんな時代背景の中、描かれた肖像画と思います。
いや、「肖像画」ではなく、”トローニーtronie”なのかも知れません。

トロニーとは、モデルとなる人物の地位や名声などを特定せずに、画家が自由に創作した人物画のこと。
先に引き合いに出したフェルメールの「真珠の・・」が、17世紀当時、まだ珍しかったトローニー様式です。

「真珠の・・」では描かれた少女がフェルメールの娘ではないかという説もありますが、
こちらの少女は果たして・・?

デニムでは高く評価しておりますが、アンティークアートの上級者様にも、
ぜひこちらの作品について、様々な評価をしていただきたいものです・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 79,920 円
参考市場価格: 77,700 円
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