トーネットTHONET No11ベントウッドアームチェア


19世紀後半につくられた旧トーネット社初期のころのベントウッドチェアです。
大変貴重なコレクターズアイテムです。

こちらはまだ、トーネット社がウィーン本社の時代のモデルと思われます。
もしかすると、創業者ミヒャエル・トーネットがまだ生きていた時代であった可能性もあります。

正式なモデルコードは”No11”。
市場に出てくるのは非常にまれな若い番号のクラシックトーネットで、
19世紀の新品当時も、アンティークの今も、非常に人気の高いモデルです。

当時、トーネット社の人気モデルは、こぞって競合企業のJJコーン社やフィッシェルFischel社が
コピー版を製造していたので、おおよそ人気のモデルはうかがい知ることはできます。

もちろんこのNo.11もJJコ-ン社から販売されていました。
人気モデルの証明です。

尚、このNo.11は、モデル番号からもお分かりのように、
2億脚を販売したメガヒット作、No14よりも前に開発されたモデルになります。
おそらくその配番から見て、ミヒャエル・トーネット自身によるデザインだったのでしょう。

1857年の現存する旧トーネット社のカタログには、すでにNo11のルーツモデル、
No10が存在しています。
No11はNo10の背に籐を張ったバリエーションモデル。
基本的には同モデルと思って良いかと思います。
※下記エキストラフォトに1866年当時のポスターカタログを掲載しています。

現在でもNo11はドイツやポーランドなどの「新トーネット」各社によりつくられてはおりますが、
エキストラフォトでドイツ・トーネット社製215との比較でもお分かりのように、
現行モデルは、実用性と生産効率を優先させた、コンパクトなモデルにまとめられています。

これはこれで良いとは思うのですが、オリジナルモデルだけに見られる、
「雄々しい」存在感が失われてしまったのはちょっと残念です。

特に、生産性の問題と思いますが、ひじ掛けの「ウィーン曲線」はアンティークならではの職人技です。

トーネット社創業期のころの初期のベントウッドは、そのデザイン性の高さで現在でもファンは多いものの、
製造面から見ると、構造的に長い部材や手加工の多いパーツを使わなければならないモデルが多く、
材料の調達や製造の効率性の観点から、現在もつくられているモデルはごく一部なのです。

No.20までの初期モデル=クラシック・トーネットに限って言えば、
No4、No10(=No11)、No14の3タイプしかつくられておりません。

No7000番台のモデルコードをもつ最初期のロッキングチェアなど、近年行われた復活プロジェクトにおいて、
日本円で3ケタに届く販売価格をつけなければならなかったという逸話もあるほどです。

おそらくは将来にわたっても、新品の状態では二度とお目にかかれることはないであろう、このNo11オリジナルモデル。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 140,400 円
参考市場価格: 136,500 円
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