トーネットTHONET No.32 ベントウッドレザーシートチェア


19世紀末から20世紀初期につくられた旧トーネット社のベントウッドチェアです。
大変貴重なコレクターズアイテムです。
こちらはまだ、トーネット社がウィーン本社の時代のモデルと思われます。

正式なモデルコードは”No32”。
当時最先端のデザインとして人気の高かったドイツ・バウハウスやイギリス・エドワーディアン様式を、
トーネット社がいち早く自社のベントウッドチェアデザインに取り入れた全盛期の意欲作です。
非常に現存数が少なく、コレクターの間では非常に人気の高いモデルです。

1900年ごろ、当時の旧トーネット社の企業力は、その社歴の中でピークを迎えていた時代でした。

しかしながら同時に、すでに独占していた「曲げ木技術」の特許は切れ、
競合他社の追い上げも熾烈を極めていました。
すなわち、JJコーン社やフィッシェル社といった主要企業においては、
トーネット社と同等以上、と言えるレベルにまで、その商品品質は接近していたのです。

となれば、必然的に他社との差別化のポイントは、コストとデザイン面。
コスト面では各社とも安い原料を調達し、より一層の販売増による量産化で、
ロープライス化を図っていたことでしょう。

一方デザイン面では、著名な家具デザインナーとのコラボや、ウィーンの郵便局のインテリアデザインなど、
とくにJJコーン社においては、すでにトーネット社をしのぐほど活躍していました。

おそらくその時、業界の名主を自認するトーネットの危機感は相当なものだったことでしょう。
19世紀末ごろからのデザイン開発には、ありとあらゆるアイデアが取り入れられ、
その結果、1900年ごろ、トーネット社の商品バリエーションの数は過去最大に膨れ上がったと言われています。

こちらのNo32が生まれたのは、そんな時代を背景としていました。

四面にコンケーブ(溝)をもつスクエアな背柱は、スプラットバック(背あて)に楕円のリングを中央に配置するデザイン。

脚は、ウィリアムW世の”ベルフット”(釣鐘型の脚)の流れをくむ、ヴィクトリアンスタイルのフロントレッグ・・。

デザインが特徴的なのは一目でわかりますが、良く見ていると、
素人目にも、部材の準備や製造工程に手間がかかっている事に気がつきます。
おそらくはそれだけ力の入ったデザインだったのでしょう。

将来にわたっても、なかなかお目にかかれることはないでしょう。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/SD)


価格(税込): 108,000 円
参考市場価格: 105,000 円
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