アールデコスタイル クイーンアンウォルナットブックケース

1930年代、アールデコ全盛期にイギリスで製作されたブックケースです。
アールデコはアールヌーヴォーの享楽的で耽美的なスタイルのアンチ・テーゼとして誕生したムーブメントです。
植物的な曲線を多用したアール・ヌーヴォーに対して、
ルーラーやコンパスで作成したような線やパターンがアールデコの外観的な特徴的。
前者が19世紀、フランスのパリでもてはやされたのに対して、
後者は20世紀初頭、新大陸アメリカのニューヨークで花開いたと言われています。
シンプルで直線的なマンハッタンの高層ビル群を思い浮かべると、
時代の変遷とアールデコ様式がイメージして頂けるのではないでしょうか・・。
話は逸れてしまいましたが、
こちらのキャビネットは、装飾を最低限に留めたレトロモダンなフォルムが、非常にアールデコらしいです。
同時に、シンプルなフォルムを引き締め、お花をアクセントにしている古典的なディテールにも注目して頂きたいです。
上部の左右は柔らかい丸角が採用されています。
この丸角も、脚のS字曲線とアカンサスモチーフも、英国伝統のクイーンアンスタイルを継承しているものでしょう。
英国家具ならではのシルエット。
その脚元のデザインは、先端が渦巻き状になっている、カブリオール(猫脚)”のスクロール“フットが採用されています。
スクロールは古代ギリシャ時代から建築に多用されていた文様で、
17世紀頃から家具の脚元の装飾に応用されています。
このエレガントなシェイプは当時だけではなく、21世紀の現代でもとても人気の高いデザインです。
素材はマホガニーベースで、前面にはウォルナットの化粧張りが施されています。
軽く硬い、そして色艶の美しい良質なソリッド・マホガニーの躯体は、ご覧の通り、
最高級の色艶を発散させています。
おそらく数あるマホガニーの中でも厳選された良材が使われているのでしょう。
製作技術も高く、マホガニーに蒸着されたウォルナットの化粧材は、
今なお、劣化を見せることなく、当時のままの状態をしっかりと維持しています。
また、前オーナーも大事にお使いになられていたのでしょう、
小傷程度の使用感で、目立ったダメージもなく、木肌には良く磨きこまれた自然な艶があります。
コンディション的にも生活骨董としては一級品と思います。
クラシカルなクイーンアンスタイルを基本ベースに、レトロモダンなアールデコテイストをアレンジした、
英国家具らしいブックケース。
コレクションケースのように内部には華やかな壁紙はありませんが、
そこがまた、真摯なつくりの確かさを感じさせ、とても好感が持てます。
長くお付き合いできる良質なアンティーク家具と、
デニムがお勧めいたします・・。
(Buyer/SD)
価格(税込):
138,240
円
参考市場価格:
134,400
円
[9]かごを見る
[0]TOPページへ
LOCKON CO.,LTD.