Travellers in Landscape / Oil Painting

デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
今から何と! 300年以上前!!
イギリスのディーラー情報によれば、17世紀後半から18世紀にかけてオランダで描かれた大変古い風景画、ということです。
「お宝」の可能性が非常に高いアンティークアートになります。
※こちらは「PA0112 Figures in Landscape」とペアで入荷いたしました。
・・少し前、フランスの民家でカラヴァッジョの作品が見つかったことを覚えてらっしゃいますか?
そう、イタリアで16世紀後半から17世紀初頭に活躍したバロック美術の天才画家、
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョMichelangelo Merisi da Caravaggio(1571-1610)の肉筆の作品ではないか、
ということで、世界中を駆け回ったビッグニュースです。
あるんですよね〜、民家の屋根裏から・・そんなことって。
本物であれば、時価推定150億円相当ということです!!
カラヴァッジョといえば「バロック絵画の先駆者」。
ルーベンス、ホセ・デ・リベーラ、ベルニーニそしてレンブラントら、17世紀のバロック美術の巨匠の作品は、
直接的、間接的にカラヴァッジョの影響を受けており、多くの画家たちは
「近現代絵画はカラヴァッジョの作品から始まった」と評しています。
余談が長くなりましたが、何が言いたいのかというと、カラヴァッジョから始まった16世紀の「バロック美術」の芽は、
17世紀の「オランダ絵画の黄金期」に開花し、そのオランダ絵画は20世紀のモダニズムにまで影響を与え続けた、
という、美術史の潮流を作った、という史実です。
つまり、イタリアのカラヴァッジョ、オランダのレンブラント、フェルメール、
フランドルのルーベンス、スペインのベラスケスなど・・、歴史の教科書に名を残している巨匠たちは、
それぞれが相互に関係しあい、大局的には1本の道でつながっているイメージ。
言ってみれば、現代の私たちがアンティーク絵画を楽しんでいるのは、彼らの切り開いた道沿いに咲いている
お花たちを鑑賞しているようなものかもしれません。
そして、そうした美術史の中で、大輪の花を咲かせた一人がヤン・ワイナンツJan Wijnants (またはWynants)(1632-1684)。
レンブラントなどの巨匠たちとほぼ同じ時期に生きた稀代の天才風景画家であり
「オランダ絵画の黄金期」を支えたアーティストの一人です。
そう、こちらの作品の作者です。
いえ、正確にいえば、こちらの作品は、ヤン・ワイナンツ本人、あるいは近しい人物が描いたもの、と言われています。
ですのでヤン・ワイナンツ本人の作品と断言することはできません。
ディーラー情報では描かれたのは17世紀後半、ヤン・ワイナンツがまだ生きていた時代、ということです。
ヤン・ワイナンツといえばビッグネームですので、彼の作品を模写したアンティーク絵画はかなりの数が存在しています。
しかし、こちらはその模写の一つ、というわけではなく、ワイナンツ本人のオリジナルか、画風に影響を受けた画家による作品。
ヤン・ワイナンツの作品に影響を受けた人たちは多いので、例えば、兄弟や子息、直接の弟子、作風を継承した美術学校関係者、
あるいは一般の影響を受けた人たち、などと、暗に関係した作家のランク付けはされていますが、
こちらはその中でもかなり直系に近いもの、という情報です。
ヤン・ワイナンツに一番近い人物といえば、直接の弟子、ということになるかと思いますが、
当時、一般的にそれほど弟子は多くなとらなかったようなので、
ヤン・ワイナンツの画風に関係した学校関係者などが、確率的に高いように思います。
あるいは、もしかしてヤン・ワイナンツが直接関与したり指導したりした作品?、
あるいは本人の作品?という可能性もないことはないそうですが、
・・今すぐに、それを明らかにするのは難しいことでしょう。
いずれ何かのきっかけで真実が明らかになるときは来るかもしれません。
それよりも、一時代を作ったヤン・ワイナンツに近い人物が、彼の意思を受け継いだ作品を創作したというだけで、
充分に価値がありますし、何よりも所有していて誇らしいです。
実際、後年作風を受け継いだ弟子や門下生の作品でも、歴史性があると認められれば、かなりの値がつけられています。
もちろん、クリスティーズなど、世界的なオークションハウスでも普通に扱われますし、
17世紀ゴールデンエイジの門下生ともなると、19世紀作家のドローイングでさえ、
2,000USドル以上の値が付くことは珍しくありません。
ヤン・ワイナンツも、同時代に生きたレンブラントなどと同列にいるほどのアーティストですので、
弟子やフォロワーと言えども相当な値が付くことが想像されます。
ちなみにヤン・ワイナンツの原画ともなれば、クリスティーズの近年の実績で何と、94,000ポンド!
※下記エキストラフォトご参照。現在1ポンド=約140円。
ご参考まで。
さて、こちらの作品についてですが、ほのぼのとした古き良き時代のイタリアのカントリーシーン。
"Travellers in Landscape "(旅人のいる風景)と名付けられた風景画です。
果てしない道を、歩き続けなければならない旅人。
旅もまた、喜怒哀楽のある人生そのもの・・。
こちらの作品以外にも、ヤン・ワイナンツは、イタリアのカントリーシーンをシリーズ作のように、複数残しています。
ご存知の方もいらっしゃることでしょう。
この作品を通して、ヤン・ワイナンツには伝えたかったことが紙背にあったように思います。
伝えたかったのは、単にイタリアの風景だけではなかったはずです。
彼はオランダ人画家として、イタリア・ローマで実際に活動をした数少ない画家のひとり。
同じ「オランダ絵画の黄金期」を支えたアーティスト、ヤン・ボトJan Dirksz Both(1610-1652)と同様、
イタリアで学んだあとはオランダに戻り、後人の育成にも携わっています。
つまり、彼が本当に伝えたかったのは、カラヴァッジョをはじめとするイタリア美術の芸術性、
そのものだった、ということなのかもしれません。
こちらの作品を描いたのが本人にせよ、弟子にせよ、当時のイタリアの古典風景画を受け継いだ、
紛れもなく美術史に名を残すべきマイスタークラスの作品です。
これほどの作品に巡り合えた、ということはとても幸運なことだと思います。
間違いなく将来にわたり、一定以上の評価を受けるべき作品です。
歴史に名を残したオールドマイスターの一里塚です。
ぜひアンティークファンの方のお手元に・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
97,200
円
参考市場価格:
94,500
円
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LOCKON CO.,LTD.