Travellers in Landscape / Oil Painting

デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
今から何と! 300年以上前!!
イギリスのディーラー情報によれば、17世紀前半にオランダ(ユトレヒト)で描かれた大変古い風景画、ということです。
・・アンティーク絵画ファンの皆さま、この間のニュース、覚えてらっしゃいますよね?
そうです、フランスの民家から見つかった絵画のお話です。
発見されたのは、フランス南西部、トゥールーズ近郊の住宅。
屋根裏をかたずけているときに出てきた、というその絵画は、何と!推定150億円相当の名画!!
イタリアで16世紀後半から17世紀初頭に活躍したバロック美術の天才画家、
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョMichelangelo Merisi da Caravaggio(1571-1610)の作品です!
現在、フランスの専門家がその真贋を鑑定中ということですが、本物の可能性が非常に高いということ。
・・あるんですね〜、民家の屋根裏から・・そんなことって。
それにしても何故、そんな天文学的な値段がついてしまうのか?
不思議に思いますよね。
専門的には、過去の同等クラスの作品の取引相場を、現代の物価水準に置き換えた価格、
ということになるのだとは思いますが、これほどのビッグネームの作品には、
どれだけ歴史的に見て重要な作品か、という歴史的な意義も、その価格に加味されているはずです。
カラヴァッジョといえば、38歳という若さでこの世を去ってしまった短命な芸術家ですが、
短い活動期間の中でも、彼が残した作品は、同世代や後世の画家に大きなインパクトを与えています。
ルーベンス、ホセ・デ・リベーラ、ベルニーニそしてレンブラントら、17世紀のバロック美術の巨匠の作品は、
直接的、間接的にカラヴァッジョの影響を受けており、多くの画家たちは彼を「バロック絵画の先駆者」と称賛しました。
「近現代絵画はカラヴァッジョの作品から始まった」と評している美術家もいるほどです。
それならば150億円という価格もわからないではありませんね。
(いや、やっぱりわからない?)
余談が長くなってしまいましたが、何が言いたかったかというと、
カラヴァッジョから始まった「バロック美術」の芽は、17世紀の「オランダ絵画の黄金期」に開花し、
そのオランダ絵画は20世紀のモダニズムの萌芽にまで、美術界に影響を与え続けた、ということです。
つまり、イタリアのカラヴァッジョ、オランダのレンブラント、フェルメール、
フランドルのルーベンス、スペインのベラスケスなど・・、歴史の教科書に名を残している巨匠たちは、
現代の私たちがアンティーク絵画を楽しむ基礎を作ってくれた、ということなんですよね。
そして、そうした巨匠たちと同じ時期に生きた稀代の風景画家、
ヤン・ボトJan Dirksz Both(1610-1652)もまた、「オランダ絵画の黄金期」を支えたアーティストの一人です。
そう、こちらの作品の作者です。
いえ、正確にいえば、こちらの作品は、ヤン・ボトに近しい人物が描いたもの、と言われています。
ディーラー情報では描かれたのは17世紀前半、ヤン・ボトがまだ生きていた時代、ということです。
ヤン・ボトといえばビッグネームですので、彼の作品を模写したアンティーク絵画はかなりの数が存在しています。
こちらはその模写の一つ、ということになります。
ヤン・ボトの作品を模写した人たちは多いので、例えば、兄弟や子息、直接の弟子、作風を継承した美術学校関係者、
あるいは一般の影響を受けた人たち、などと、暗に模写した作家のランク付けはされていますが、
こちらはその中でもかなり直系に近いもの、という情報です。
ヤン・ボトに一番近い人物といえば、直接の弟子、ということになるかと思いますが、
当時、一般的にそれほど弟子は多くなとらなかったそうなので、
ヤン・ボトの画風に関係した学校関係者などが、確率的に高いように思います。
あるいは、もしかしてヤン・ボトが直接関与したり指導したりした作品?、
あるいは本人の作品?という可能性もないことはないとは思いますが、
・・今すぐに、それを明らかにするのは難しいことでしょう。
いずれ何かのきっかけで真実が明らかになるときは来るかもしれません。
それよりも、一時代を作ったヤン・ボトに近い人物が、彼の意思を受け継いだ作品を創作したというだけで、
充分に価値がありますし、何よりも所有していて誇らしいです。
実際、下記「職人コメント」欄にもありますように、かの世界3大オークションハウスの一つ、クリスティーズでも、
後年作風を受け継いだ19世紀の作家のドローイングでさえ、2,200USドル以上の値がつけられています。
さて、こちらの作品についてですが、ほのぼのとした古き良き時代のイタリアのカントリーシーン。
"Travellers in Landscape "(旅人のいる風景)と名付けられた風景画です。
日が暮れようとしても、歩き続けなければならない孤独な旅人の悲哀・・。
こちらの作品以外にも、ヤン・ボトの”トラベラーズ”は、シリーズ作のように複数の作品が残されています。
ご存知の方もいらっしゃることでしょう。
けれども、この作品を通して、ヤン・ボトが母国オランダ(当時はユトレヒト)に伝えたかったのは、
そんないくつも描いた、イタリアの風景だけではなかったはずです。
彼はオランダ人画家として、イタリア・ローマで実際に活動をした数少ない画家のひとり。
伝えたかったのは、カラヴァッジョをはじめとする
イタリア美術の芸術性、そのものだったのではないでしょうか。
こちらの作品を描いたのが本人にせよ、弟子にせよ、当時のイタリアの風景画を受け継いだ、
紛れもなく美術史に名を残すべきマイスタークラスの作品です。
これほどの作品に巡り合えた、ということはとても幸運なことなのかもしれません。
間違いなく将来にわたり、一定以上の評価を受けるべき作品です。
歴史に名を残したオールドマイスターの一里塚、
ぜひアンティークファンの方のお手元に・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
157,680
円
参考市場価格:
153,300
円
[9]かごを見る
[0]TOPページへ
LOCKON CO.,LTD.