A Far-Eastern Harvest Girl / Water Colour


デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のウォーターカラーペインティング(水彩画)です。
今から100年以上前の20世紀初頭、おそらくイギリスで描かれたと思われる古い風俗画です。

タイトルは、”A Far-Eastern Harvest Girl in a Landscape”。
直訳すれば、「極東の農作業をする少女のいる風景」(日本語としてちょっとおかしいですが・・)、ということになります。

でも・・そう、私たち日本人ならすぐにわかりますよね。
これは江戸から明治のころの、当時の日本人農婦を描いた作品です。

こちらはイングランド中部、ノッティンガムシャーNottinghamshireのアンティーク絵画ディーラーより、
デニムが直接入手いたしました。

こちらのディーラーはアンティークアートを専門に扱う老舗画廊で、
高価な価値ある作品のクオリティには定評があり、安心して信頼いただける入手元と思います。

そのディーラー情報によれば、前所有者情報は残念ながら不明。

とはいっても、小振りな飾りやすいサイズで、
あたかも美しいお花の静物画のような、色鮮やかなインテリア性の高い作品です。
いかにもアンティークアートの収集家が好みそうな雰囲気の作品と思います。

きっとアンティークアートのコレクターが、
オリエンタルな(大陸的な)クラシック家具にふさわしいインテリアとして所有していた、
プライベートコレクションだったのではないか、などと想像しております。

確かに、こちらの作品・・後年のリフレームかもしれませんが、
水彩画とは思えないほどの高価そうな、天然木無垢ベースのゴールドギルトウッドフレームで額装。

一級の油彩画で使用されるような、高級バロック調の額縁でフレーミングされています。
「薄っぺら」なドローイングなどとは次元の違う存在感です。

美術品一般として適切な評価を受けていたという証しでしょう、
確かに「格」の高さを感じるアンティークアートです。

購入には慎重になりがちなアンティーク絵画の水彩画ですが、こちらの絵画に関しては、
一級のアーティストによる「本物」のオーラが、購入に一切の躊躇をさせませんでした。

ただし、作者につきましては不詳。
扱いディーラーによれば、19世紀末のオランダ美術系のイギリス人作家、
あるいは東欧系のポートレイトぺインターによる作品ではないかと指摘しています。

でも、実は・・本当のことを言えば、デニムがこの作品の仕入れを決めたのには、別の理由があったのです。
それは・・この作品の作者に心当たりがあったから、なのです。(!)

いえ、正直なところ、デニムの独りよがり、勝手な解釈かもしれません。
ただ、どうしても、その作家の名前が、あたかもパズルのピースがピタッとはまってしまったかのように、
この作品と切っても切り離すことができなくなってしまったのです。

その作家の名前は、”フランク・アーネスト・ベレスフォードFRANK ERNEST BERESFORD” (1881-1967)。
主に宮廷画家としての作品で名を残した、ポートレイトぺインター(肖像画家)になります。

彼を知ったのは、たまたま、ほんの偶然の出来事でした。
何気なくボナムスBonhamsという、世界的なオークションハウスのウェブサイトを見ていた時のことです。

ふと日本画家が描いたかのような「富士山」の絵に目が留まりました。
でも、どこか様子が違う。

それは20世紀初頭のイギリス人アーティストが描いた富士の風景画で、すでに落札された過去の作品例だったのですが、
「へえ、当時のイギリス人が描写すると、富士山もこんな風に解釈されるのか」
と、妙に印象に残っていました。

そして、その作家のことが気になり、ちょっと名前で検索してみたところ、
いとも簡単にバイオグラフィの情報が入手できました。

イギリス美術界の中ではかなり有名な作家のようだったので、
ウィキペディアをはじめ、様々な美術サイトでも、多くの情報がヒットしました。

それらによれば、何でも、フランク・ベレスフォードは1908年から1909年の2年間、日本に滞在していたとのこと。
そこで、日本の風景画や風俗画を描き留めたそうなのです。

その時、描かれた作品が、先の富士山の油絵。

それ以外にも、日本の田園風景や祭りの風景など、当時のイギリス人の目に映った新鮮な日本の印象が、
微妙に日本人の感覚とほんの少しずれていて、とても興味深く彼の作品を観察していました。

でも、そんな出会いも、日々の生活の中で埋没し、記憶は頭の片隅に・・。
それが、こちらの”A Far-Eastern Harvest Girl..”を見た瞬間、はっと記憶がよみがえってきたのです。

実際には確証はありません。
でも、アンティークインテリアのプロフェッショナルとして、ですが、確かな自信があります。

19世紀末から20世紀初頭に存在したヨーロッパの職業画家は星の数ほどいるとは思いますが、
その中で、日本に来て創作活動をした画家など、そう何人もいるはずはありません。

史実による時代考証、そして後述いたしますが、作風画風をチェックしていただいても、
間違いなく彼の作品であることをご納得いただけるのでは、と思っております。

1908年ごろの英国人から見た日本人、というテーマ、そしてアンティーク美術の歴史性について、
アンティークアートの上級者様には、ぜひご覧になっていただきたい、
そして大いに語って、評価していただきたい、
そんな風に、切に、思っている素晴らしい時代性を持つ作品であります・・。

(Buyer/YM)




価格(税込): 62,640 円
参考市場価格: 60,900 円
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