トーネットTHONET No5233 ベントウッドレボルビングチェア


非常に貴重なアンティークベントウッドチェアを入手いたしました。
ヨーロッパ現地でもなかなか見つけることのできない、曲げ木製「回転椅子」、
ベントウッドオフィスチェアです。
旧トーネット社オリジナルモデルのNo5233になります。

アンティークファンに方はお探しの方も多いですよね、トーネットの昔のオフィスチェア。

筆者も長いこと探していますが、アンティークのベントウッド・レボルビングチェア自体、
まだ数えるほどしか、出会ったことがありません。

もちろん日本のアンティークショップでは、いまだに見かけたことすらありません。
第二次大戦後のヴィンテージクラスでしたら、何度か見かけたことはありましたが・・。

戦前のアンティーク品は、もともと生産数が少なかったのか、
それとも回転部の金属部が100年程度で寿命を迎えて破棄されてしまったのか、
あるいは単に所有者がコレクションとして手放さないだけなのか?

いえ、回転軸をもつベントウッドチェアは、かなり古い時代から
旧トーネット社のレギュラーアイテムとして存在していたはずです。
それも1870年代のカタログには掲載されていますので、まだミヒャエル・トーネットが生きていた時代のマザーモデル、
”クラシック・トーネット”の主力モデルにあたります。

しかも19世紀後半からのオフィス需要でかなり売れ行きもよかったようです。
生産数自体は相当な数があったのかもしれません。

それでも現存数が少ないのは、回転部の金属疲労あたりの要因で処分されてしまっているのか、
まあ、使い方にもよるのでしょうけど、素材自体は堅牢な鋳鉄製ですので、
単に歳月が経過したからといって自然劣化が必ずおこるものではありません。
古いミシンの鉄脚などを見ればそれはよくわかります。
過去の大半が壊れて捨てられてしまったということはないと思います。

とすれば、アンティーク品があまり出回ってないのは、お持ちの方が手放さないケースが多いのでしょうか?
今でもつくられているスツールですが、中古品やヴィンテージ品ですらほとんど見かけないのですから、
やっぱりそうなのかもしれませんね。

まあ、どのような理由にせよ、マーケットに流通している数自体が非常に少ないことは確かです。
もしかするとあるところにはあるのかもしれませんが。

“ワークチェア”(事務仕事用の椅子)といっても、基本的に無垢の家具で使えば使うほど味が出てきますし、
何度でも再生はできますし(状況にもよりますが)、体もなじんで愛着もわきますし、
一度手に入れたら手放さなくなるのは、なんとなく理解ができます。

そんな価値あるアンティーク・ベントウッドオフィスチェアのマーケット事情にありながら・・、
今回、幸運にもオフィスチェアの中でも最高クラスの逸品を、ドイツのコレクターからゲットすることができました!

何と、19世紀末の一時期のみ生産された、珍しいアールヌーヴォーデザインのレボルビングチェア、
それも当時のフルオリジナルの状態です!

これは本当に偶然の出会いでした。
おそらく筆者が生きている間には、もう二度と同じモデルを目にすることはないかもしれません・・。

トーネットのオフィスチェアは、基本ベースはレボルビングスツール(ピアノスツール)で、
上部の背のデザインを差し替えてバリエーションモデルを展開していますが、
その背のデザインは、リクライニングをしない一般モデルの場合、主に3種類が知られています。

ひとつは現在でも作られている、ヴィエナチェアNo6009ベースのNo5501、
そして2つ目はウィーン郵便局の椅子として有名になったNo6003ベースのNo5503、
3つ目はオフィスチェア専用デザインとして開発された、独特の肘掛けデザインを持つNo5901。
※下記エキストラフォトにご参考のカタログ抜粋がございます。

しかしながら、その3種のオフィスチェア以外にも、各時代ごとにある短期間だけ作られた、
限定モデルのようなオフィスチェアが存在しているのです。

そんな限定モデルが生まれた背景には、世間のデザイントレンドを取り入れたり、
自社の人気モデルのデザインを取り入れたり、国ごとのデザインに合わせたりと、
さまざまに工夫していった背景があったのでしょう。

おそらくこちらのオフィスチェアもそんな19世紀末の一時期にだけ生産されたモデルと思われます。

19世紀末当時、流行の最先端だったアールヌーヴォーのデザインパターンを取り入れ、
オーストリアから世界各国へ大量に輸出されていった輸出モデルのN018。
ヨーロッパでは多くのカフェで見られたそのNo18を、
当時の人々は親しみを込めて”ヴィエナカフェチェア”と呼んでいたそうですが、
そのヴィエナカフェチェアの背には、こちらのオフィスチェアと同じ
ホールデザインの背あてがついているモデルもありました。

それは1880年ごろから1900年ごろにかけての時代でした。
こちらのオフィスチェアも、その輸出モデルのNo18のバックプレートを共有部品として、同時期に製作されたのでしょう。

旧トーネット社全盛期の由緒正しきオリジナルアイテム、
もちろんそれを証明する19世紀旧タイプの”THONET”社刻印入りです。

価格はちょっとお高くて、現代に作られているベントウッドオフィスチェアの2倍以上。
でも、デニムではその経てきた歴史を考えていただければ、
決して法外な価格ではないことをご理解いただけるものと思っております。

世界で初めて家具の量産化を実現したミヒャエルトーネットのオリジナルデザインを継承し、
19世紀末に起こったオフィス需要と、当時のデザイントレンド=アールヌーヴォー様式を背景として生み出されたのが
こちらのベントウッドオフィスチェアです。

まさに椅子の歴史の一里塚と呼んでも過言ではないと思います。

スーパーアンティーク、THONET Nr5233をぜひ、トーネットファンの方に・・。

(Buyer/SD)



価格(税込): 151,200 円
参考市場価格: 147,000 円
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