ヴィクトリアン ローズウッドマザーオブパール ティーキャディ


19世紀中盤、今から150年前、イギリス・ヴィクトリアンの時代につくられた、
めずらしい装飾付きのドームトップ型ティーキャディです。
マザーオブパール インレイ ローズウッドのスーパーアンティークです。

・・イギリスに喫茶の習慣が中国から伝わったのは、18世紀のことでした。
18世紀の終わりごろになると、上流階級の間に紅茶は広く普及し、
徐々に彼らの生活の中に定着していきました。

当時はまだ、カップにはハンドルのない”ティーボウル”が使われていた時代です。

19世紀にはいると、ハンドルつきのティーカップも広まり、お茶の習慣も中流階級にまで広がり始め、
イギリスの現在の紅茶文化が形成され始めた、ということです。

しかしまだそのころは、お茶にしても陶磁器にしても、一般庶民には到底手の届かない高嶺の花の時代。
本格的な紅茶の普及は20世紀以降を待たなければなりません。

19世紀以前、茶葉は女主人が鍵のかかるティーキャディに入れ、
大切に寝室に保管されていたと言われています。
このような宝石箱のように頑丈で高価な収納ケースに入れて・・。

このティーキャディはまさにそんな時代、1860年頃に使われていた茶葉の収納ケースです。
オルゴールのような天蓋を開けると、そこには左右2室の収納スペースが・・。

この2室構造には理由があって、ほとんどの当時のティーキャディは内部は2つの部屋に別れています。
それは、緑茶と紅茶(又は烏竜茶)をそれぞれの部屋に入れ、
ブレンドをして楽しむことができるようになっているためなのです。

ちなみに大きなティーキャディには、ブレンドをするためのスペースをとり、3セクションに分かれていたりもします。

こちらのティーキャディは、それほど大きいわけではないので2セクションですが、
ちょっと驚かされるのはそのつくりの精度の高さ。

1世紀半経っている無垢の木箱にミリ単位のずれもないんです!
これってどういうこと?

未だに日本の「桐ダンス」のようにぴったりと蓋が開け閉めされます。
外箱も、もちろん内箱も。
それも、無垢ベースの見事なローズウッドの化粧材を使用していながら、ですよ。

上下の蓋と受けの突合せにはコンマ単位以下の隙間は出ていますが、
それはヒンジの厚みによるもの。

素晴らしい素材品質、製作精度の高さです。

さらに当時の最高級品、墨汁を水面に垂らしたような縞杢をもつローズウッドに、
木象嵌、およびメタルインレイ、マザーオブパールインレイと、
高度な数々のインレイワークを見せつけています。

まさに高価な貴重品を収納するにふさわしいケースといえます。

その木肌は100年という時だけが作り上げることのできる“パテナ(古艶)”を身にまとって、
より一層輝きを増しています。

現代ではまず復刻不可能な、「奇跡」のようなティーキャディ。

アンティーク上級者のコレクションとしてお勧めいたします・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 70,200 円
参考市場価格: 68,250 円
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