ジョージアン マホガニースタンドミラー


何と今から230年前!
イギリス1780年代に製作された、英国家具の黄金期、”ジョージアン”様式のテーブルトップミラーになります。

・・ジョージアンの家具、それは現在の「全世界の家具のルーツ」、といっても過言ではないと思います。

18世紀、世界で最も家具製作の技術が進んでいた、ジョージ3世George III治世下のイギリス。
英国史上を通してみても、最も良質な家具が生産されていた時代、とされています。

そしてそのジョージアンの家具は、そのすぐれたデザイン、工法、そして生産技術が、ヨーロッパからアメリカに渡り、
時空を超えて全世界に伝播していきました。

その結果、近代の家具は、それぞれの国の風土に馴染みながらも、
根本的な木工家具の基本設計はほぼ全世界共通、といっても良いほどに集約されることになるのです。

もちろん、数千年にわたる家具史を経て、現代に至っている今の家具が、
それほど短絡的に成立したわけではありませんが、現代木工家具の基礎が18世紀のイギリスに求められることに、
疑いを持つ専門家は少ないのではないかと思います。

つまり、現代家具の「原点」はジョージアン、すなわち、ジョージアンの家具は今使っている私たちの家具の
マザーモデル、と言い換えることもできるのではないかと思います。

そんな歴史の一里塚が、今、この目の前に・・。

素材は無垢のマホガニー。

現在、世界三大高級材の一つとされるマホガニー材は、一般的にホンジュラス産マホガニーになります。
無論、ホンジュラスマホガニーはすでにワシントン条約で新たな伐採が禁止されている、
準レッドリスト(絶滅危惧種)指定の希少な銘柄です。

そんなホンジュラスマホガニーも、アンティークの時代、18世紀ジョージアンの時代では
特別な材料ではなく、汎用的な「一般材」でした。

当時は「マホガニーの時代」とも称されるほどの、マホガニー大流行の時代。
しかし植民地より最も価値ある家具材として輸入されていたのは、同じ中米産マホガニーでも、ホンジュラスではなく、
ジャマイカンウッドやキューパンマホガニーなど、旧スペイン領だった地方の、通称 ”スパニッシュマホガニー”でした。

歳月を経れば経るほど、赤銅色に輝くそのスーパープレミアムウッド=スパニッシュマホガニーは、
その杢、性質、加工性など、あらゆる点でホンジュラスを上回る稀代の銘木だったのです。

こちらのミラーは、そんな「マホガニーの時代」のど真ん中で作られたマホガニー家具。

当時の貴族階級のために作られた、最高級のオーダーメイド家具に、
どのようなマホガニー材が使われていたのかは、想像に難くないところでしょう。

見えない構造材の部分には、現代の私たちが良く目にする杢のマホガニー無垢材が確認できます。

あくまで想像ですが、構造材には、当時一般材だったホンジュラス産を使っていたのかもしれません。
いうまでもなくホンジュラスでさえ、現代では最高級のマホガニー材とされている銘木級の材料です。

その良質なマホガニー無垢ベースの躯体には、主要部分に薄くスライスされたマホガニー化粧材が、
装飾的に像着さています。

でも、こんなマホガニーの杢、見たことありますか?

多分、アンティーク家具業者さんだったら目になじみはあるかもしれません。
一方で、プロの材木業者さんであればあるほど、まず見たことないのではないかと思います。

巨木の少ないマホガニー材にあって、大きな「タケノコ」のような独特の杢を見せるスーパーマホガニー。
いったいこれは何なのでしょう?

分かる人が見れば必ずわかるこの銘木の杢目は、
アンティークにあってもそれほど多くみられるものではありません。
アンティーク上級者の方には、神々しいオーラすら感じられることでしょう。

同様にミラーフレームにも、ミラーの輝きを増すかのような、帯状の化粧張り、クロスバンディングが施され、
中央にはファニアー(扇形の化粧張り)、左右にはストリンギング(線象嵌)、と、当時の先端技術もてんこ盛り。
比較的、都会のエリアで製作されたことが想像できます。

脚元のターンドフットという4つの「丸脚」も、当時の最先端デザインです。

デザインも、ジョージアンらしいかなり高度な造形技術をベースにした、見事な立体デザイン。
現代だったら「フラッシュ家具」が得意とするような「樽型」の形状を、何と無垢の削り出しで実現しています。

今では考えられないほどの贅沢仕様です。

もちろん、2世紀半近く経過した無垢の手作り家具ですから、細かなご留意点はありますが、
それでも、貴族階級の家庭で大事に使用されていたと思われ、アンティークとしては、非常に良い状態です。

おそらく、もともとは化粧台として、身だしなみを整える際につかわれていたお品と思われますが、
後年では、アクセサリケースなどとして寝室や玄関などに置かれていたものと思います。

今でもそんな実用家具としてお使いいただけますが、
ぜひ、人類の文化遺産として、次代に引き継いでいっていただければ幸いです。

アンティークの本当の魅力を知る、上級者の方に・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 138,240 円
参考市場価格: 134,400 円
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