クオリティマホガニー ドロップリーフテーブル

19世紀末、イギリス・ヴィクトリアンの時代に製作された、素敵なオケージョナルテーブルです。
小さなフラップ(拡張板)が4枚付いたとても珍しいコレクティングファニチャーです。
「家具を求めていくと(イギリスの)アンティーク家具に行き着く。」
家具業界ではそんな格言がありますが、このテーブルを見るとそれが本当にうなずけます。
アンティークファンの方ならご理解いただけることと思いますが、誤解を覚悟でいわせていただければ、
そう・・「家具」という生活文化は19世紀末をピークに「退化」しているのです。
いえいえ、反論はごもっとも。
良い家具が誰でも手の届く価格で供給されるようになったことは大きな「進化」です。
もともと家具は富裕層のぜいたく品だったわけですから。
要するに、家具が進化していったのは「量産技術」。
「商業性」を最重要視し、それなりの品質の商品が安く大量に作れるようになったのは、
確かに歴史上、現代が一番進んでいます。
一方、本来家具が持っていた「芸術性」は?
そうです、そのような量産に非合理な考え方は20世紀の前半、
第二次世界大戦の終焉とともに消滅してしまったのです。
代わりに、生産効率を下げない範囲内でのデザイン的な工夫が積み重ねられて行き、
その中でデザイン評価が進められることになりました。
いわゆる、近代的な”モダンデザイン”の確立です。
つまり、現代の家具とアンティーク家具は、同じ「家具」でありながら、
一本の延長線上でつながっているのではなく、似て非なるもの、なのです。
現代家具は、「商業性」を得て、「芸術性」を捨てました。
逆に、アンティーク品質の家具には、「商業性」はない反面、
現代家具が二度と再現することができない「芸術性」があります。
冒頭の「格言」に戻りますが、要するに、マシンメイドの画一的な家具はあきやすい。
目が肥えてくると、作り手の「芸術性」を求めたくなり、それが満たされるのがアンティーク家具、ということです。
例えば、ハンドメイドの職人技術、レッドリストの木材を贅沢に使用する木取り、
100年単位での品質を考えた構造設計など・・、
ここでいう、作り手の「芸術性」とはそういうことです。
余談が長くなってしまいましたが、こちらのテーブルには、現代家具が失ってしまった「芸術性」に満ち溢れています。
4面開くと「お花型」、2面開くと「ハート型」というドロップリーフ式のテーブルトップデザイン、
4本の脚それぞれが4本の支柱で構成されているセグメントレッグ、
ヴィクトリアンスタイルらしい外に跳ね上がるスウェプトフットとアンダーストレッチャー、
木目も大変美しい、華やかなレッドマホガニーの木取り・・。
果たしてこのようなテーブルが、商業的に考えて、現代に再生産できるものでしょうか?
その限界までにシェイプされた繊細なシルエットは、まさに芸術品。
21世紀の「美的感覚」をもつ私たちさえも充分に魅了する、エイジレスな造形美です。
その製作技術の高さもさることながら、これほどの複雑な構成に、ダメージはおろか、
目立った歪み一つ見せていない技術力の高さは本当に職人技です。
モノを置くという機能さえあればよいテーブルに、ここまで手間暇かける必要があるのでしょうか。
・・という商業的発想自体が現代家具の発想、その手間暇こそが今では失われてしまった芸術性です。
たかがテーブル、されどテーブル。
これこそアンティーク家具の真骨頂です・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
103,680
円
参考市場価格:
100,800
円
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LOCKON CO.,LTD.