ウィリアム4世William IV バロニアルスタイルアームチェア

今から200年近く前、19世紀初期のイギリスで製作されたアンユージュアルなアームチェアです。
“ウィリアム4世WilliamW”の時代の”バロニアルBaronialスタイルチェア”(男爵の椅子)になります。
・・フランス・ルイ14世スタイルの流れをくむ大柄なクラシックスタイル。
いわゆる、”バロニアルスタイル” と呼ばれるカーバーチェア(主人の椅子)ですが、
その迫力、並みのカーバーチェアではありません!
ダークに輝く骨太なイングランドオークの迫力が、圧倒的な威圧感を発散しています。
サイズも、日常でご利用可能な座面高ながら、すべてが一般的なチェアよりも一回り、いや、
ふた回りほど大きく、「玉座」と言われても納得できる風格も演出しています。
後年作られた名ばかりの”バロニアルチェア”とは格が違う「本物」の魅力にあふれています。
実際、製作された時代は、まだ椅子が座る人の「身分」を示していたウィリアム4世の時代。
本当に、本物の”バロンBaron”(男爵)が座っていた椅子かどうかは定かではありませんが、
少なくとも、何らかの組織のトップである”チェアマン”が、
実際に日常で使っていた椅子であることには間違いはなさそうです。
デザイン的には、17世紀のフランス・ルイ14世Louis XIV様式がベースで、
そこにイギリス・ゴシック様式、特にジャコビアン後期のレストレーション(王政復古)様式の特徴を盛り込み、
ウィリアム4世の時代当世風にアレンジしています。
”ピナクルPinnacles”と呼ばれる尖塔型の飾りを両肩に持ち、
両肘は波型を描く”ダウンスウェプト アームDownswept Arms”を採用。
威厳を感じるフォルムを構成しています。
そして、肘掛けを支える支柱から前脚にかけては、ウィリアム4世の時代らしい、太く力強いターンドレッグ。
躯体の基本フレームとともに、永遠の存在を誇示しているかのようです。
また背や座、また肘掛けには、” アプホールスタリーパネル”(生地張りの板)を設置。
実際に使う上での快適性もしっかりと考慮されています。
さすが、ウィリアム4世の時代の家具と言えます。
以前にもご紹介しました通り、“ウィリアム4世WilliamW”の時代に作られた家具といえば、
「最後の古典主義」様式の家具、と言われています。
次のヴィクトリアンの時代には、後に家具の量産化が始まり、
家具の一部では近代的な「工業製品」に成り下がってしまいました。
(決して全ての家具のレベルが低かったと言っているわけではございません。念のため。)
19世紀ヴィクトリアンの時代以降は、商業製品としての家具が一般に普及しはじめます。
つまり、家具がまだ庶民には手の届かない富裕層の贅沢品だったり、
椅子がその人の身分をあらわしていたりしていたのは、このウィリアム4世の時代が最後だったのです。
逆に言えば、デザイン性だけではなく、今では入手できないような銘木が使われていたり、
高い技術を持った「匠」でなければ製作できないような造形を伴っていたり、と
アンティーク家具ならではの品質は、この時代以前のものであればほぼ間違いなくトップレベルのお品、
ということができます。
従って、年式に偽りさえなければ、ウィリアム4世時代以前の英国家具は、
全て歴史的な芸術品、あるいは「過去の文化遺産」と断言しても良いと思います。
こちらのチェアは、まさにそんな時代に作られた正真正銘の本物。
おそらく名家の領主クラスの当時の所有者がお抱えの家具職人に製作させたオーダー家具だったのでしょう。
誇らしげに焼き付けた、王冠のメーカーマークに、家具工房のプライドを感じさせます。
きっとデザイン、製作技術ともに当時の流行最先端をいくものだったはずです。
みっちりと繊維が詰まって硬く、重量感あふれるソリッドオークと、
木肌を覆う、100年の歳月が培ったパテナ(古艶)が、
アンティーク品としても最高級のパーソナルチェアであることを主張しています。
何だか、普通の椅子らしくなくて美術品とか工芸品のようですが、
でも、半永久的に実際に座れて、かつ座り心地の良い実用家具であるところは
さすが、最高クラスの英国アンティーク家具。
ぜひ、こんな椅子だからこそ、一生もののマイチェアとして普段使いしていただきたいものです・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
127,440
円
参考市場価格:
123,900
円
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LOCKON CO.,LTD.