ヴィクトリアン バールウォルナットゲームテーブル

イギリス・ヴィクトリアン中期、1870年前後に製作された、
ターンオーバートップ式の収納つきゲームテーブルです。
当時、富裕層のティーパーティなどで使われていた特注家具になります。
下半身の豪華なデザインに対して、天板がちょっと飾り気なさすぎ・・?
いえ、まず見どころはこの天板です。
関連業界の方なら溜息を洩らされるかと思いますが、これこそ銘木級のバールウォルナット。
バール杢の中でも最も人気の高い、淡い霞のかかった「琥珀の大理石」状の杢を
古来からの技術、”クオータリング(四分法)”の技法をもって、
贅沢に天面全面に使用しています。
さらに当時流行したオリエンタルな幾何学文様を周囲に演出。
”マーケットリー”という絵画調のインレイ(象嵌)技術で描写しています。
天板は回転開閉式となっていて、オープン時には内面主要部はグリーンレザーで覆われていますが、
その周囲にはやはりバール杢でベニヤリング(化粧張り)。
こちら面は、あたかもメープルのような”バーズアイ”(鳥眼杢)のバールウォルナットで周囲を縁取っています。
天板は2cm超はあろうかという厚みを持つ大板ですが、内部の構成材を見る限りでは
おそらくウォルナット無垢板ベース。
19世紀半ばのアンティークですので、化粧合板などであるはずもなく、無垢の1枚板と思われます。
何よりも驚かされるのは、その化粧張りの蒸着技術の高さ。
すでに150年ほどの歳月が経過しているので、突き板のはがれ(浮き)などが起きていても
何らおかしくはないはずですが、驚くべきことに、一切の浮きはなし。
わずかに無垢の収縮による小ひびなどは確認できますが、本当に誤差レベルのもの。
しかも曲面蒸着という難しい技術で天板全面を覆っているにもかかわらず、このグッドコンディションです。
一体、どのような工法で製作したものなのでしょうか?
目の肥えた方ほど、こちらのテーブルの技術レベルの高さがお分かりになっていただけるものと思います。
超一級のアンティークとデニムが保証させていただきます。
ちなみにこちらのテーブルのメーカーは、高級アンティークの家具オークションなどで
しばしば見かけることのできるメーカー、”アレックスグラントALEXANDER GRANT & SON”社製になります。
AG社の詳細は不明ですが、19世紀に華やかなヴィクトリアン家具で名をはせた
イングランド中部、リバプールに存在したキャビネットメーカーです。
その家具の多くは、貴族向けに販売される高級ハンドメイド家具で、
中でもバールウォルナット、マーケットリーインレイの品質には当時から高い評価を得ていたようです。
そう、まさにこちらの家具のように。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、テーブルデザインはヴィクトリア期に流行した、
クラシカルなフレンチスタイル。
ルイ15世Louis XVスタイルの影響を受けたブリティッシュデザインです。
その優雅なスクロールフットと、4本の支柱を持つマルチピラーのデザインは
21世紀の「美的感覚」をもつ私たちさえも充分に魅了する、エイジレスな造形美だと思います。
素材については前述の通りの一級品。
繊維の目は詰み、木肌には華やかな赤みがあって、バール杢も大変美しい。
磨けば磨くほど、年月を経れば経るほどに、赤銅色に輝くこの逸材は、
トップ面全体を淡い光に包みこんでいます。
相当な技術を持った家具職人と相当な品質の材が出会って
初めてこの世に存在することのできた、究極のヴィクトリアンテーブルといえるのではないでしょうか。
こちらは天板を90度回転させ、天板のサイズを2倍に拡張させることのできる
ターンオーバートップのエクステンションテーブル。
別名、エンヴェロープテーブルとも呼ばれています。
エンヴェロープテーブルは、回転させたときにちょっとした収納スペースがあり、
白布などのリネンを入れておくことができます。
貴族たちのティーパーティの様子がしのばれます。
長い歳月を全く感じさせることのない、生き生きとした躍動感すら感じる、工芸品のようなテーブル。
まだまだその役目は終えることなど、私たちが生きている限りではなさそうです。
さらにそのブロンズに輝く、華やかなレッドマホガニーの木肌は、
150年という時が作り上げた“パテナ(古艶)”を身にまとって、より一層輝きを増しています。
現代ではまず復刻不可能な「奇跡」のような究極のティーテーブルといえるでしょう。
デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
216,000
円
参考市場価格:
210,000
円
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LOCKON CO.,LTD.