ヴィクトリアン ボウルアンドクロウ ラウンドスツール


今から130年以上前、ヴィクトリアン末期に製作された、珍しい四本脚スタイルのピアノスツールです。

何という美しい椅子なのでしょうか・・。

「息を呑む」、「言葉を失う」という形容詞以外、
この椅子の「美」を表現する日本語はこの世に存在しないと思います。

興奮を沈めつつ、この椅子を客観的に眺めてみると、
まず感銘を受けるのが、その造形のバランスの見事さ・・。

こんなに端正な椅子がフリーハンドで図面を書き起こさなければならなかった時代に製作可能だったなんて・・。

大量生産技術では現代家具の脚元にも及ばなかった時代の椅子ですが、
「試作」レベルの技量の高さは、もしかすると歴史上ピークを迎えていた時代だったのかもしれません。

ジェニン・アンティーク(100年を経た真のアンティーク)、それも最高級アンティークチェアならではの
美しいシルエットではないでしょうか。

デザイン的には、優雅な家具を生んだヴィクトリア後期のネオロココ様式がベース。

センターピラーを持つ4本脚形状は、ヴィクトリアンのラウンドスツールには珍しい構成です。
一般的には三つまた1本脚の回転軸を持つピアノスツールが一般的でしたから、
こちらのスツールは、何か特別な使用用途があったのかもしれません。

脚先には、これまた見たこともない装飾金具が装着されていて、
ブロンズ製と思われる”ボウルアンドクロウ”のフットスタイル。
それも脚がつかんでいるのは・・ガラスボウル?

割れていないのが不思議なのですが、決して飾り椅子などではなく、
頑強な5本柱に、クロスストレッチャーの構造ですから、かなり剛性感が高く、
実用目的で作られたことが想像されます。

しっかりと使われてきたはずなのに、ガラスボールが割れてないのは
奇跡と言えるかも、ですね。

ただ、どのような目的があったにせよ、脚先にガラスボールが使われたことで、
脚周りが、光を通してとってもきれいであることは、計算された装飾手法ではないかと思います。

デザイン的には、ネオロココのヴィクトリアンスタイルに、ボウルアンドクロウといえば、
「高級家具」を意味する、イギリスの家具の伝統デザイン。
紛れもなく一級の英国伝統家具です。

当時の幅広スカートを着用された貴婦人方が、ピアノの演奏に
優雅にご愛用されていたのではないでしょうか・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 79,920 円
参考市場価格: 77,700 円
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